サイエンスメディアな日々   インフォグラフィクスな日々

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視覚と聴覚

「映像コンテンツ」は映像と音声からできています。
映像は視覚を通じて、音声は聴覚を通じて、それぞれ私たち人間の中で一体となって、ひとつのメッセージとして処理されているわけです。
あたり前のことのように思えますが、実は視覚と聴覚を統合して何かを評価すると言うことは人間にしかできない、高度な機能なんだそうです。しかも、先天的(本能的)に備わった機能ではなく、成長の過程で身につけていくものだとか。
本来、動物と言う側面からは、視覚と聴覚は別なものです。例えば視覚は音が届かないような遠方のものを発見できるし、聴覚は何も見えない暗闇でのセンサーになる。視覚と聴覚がまったく別な信号を認識していることで、より広い対象物を認識できているのです。
一方、この2つを統合し、あらたな理解を生み出す、と言うのは後天的に身につける機能なんだそうです。だから、何らかの理由で、視覚と聴覚を統合して対象物を判断する経験ができない人(例えば、子どもの頃からある種の障がいを持った方など)は、視覚と聴覚は分離されたまま、統合的な理解ができないそうです。

映像コンテンツを作っている際、映像と音を無意識に「統合」しているのですが、もっと深い理解が必要なのではないか、逆に、感覚的に行っている制作作業にももっと深い理由があるのではないか、その理由を意識して制作する必要があるのではないか、と感じています。
これはライフワークになるくらい大きな研究テーマですが。。。

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