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イランの投票の真偽をあばく

先日行われたイラン大統領の選挙、不正が行われたかどうかが大きな話題になっていますが、この選挙結果を、投票数と言うデータの見地から評価した興味深い記事が、ワシンントン・ポストのウェブサイトに載っています。(要約版は、FlowingDataのサイトにもあります。)


この調査は116の州ごとの投票数を、「数値」として健全性を評価したものです。

ひとつの調査は最後の桁に着目しています。通常、0〜9の数字がほぼ均等(10%)に表れるはずですが、イランの投票結果では7が最も多く、約17パーセント、一方でもっとも少ないのは5で4パーセントしかなかったとのこと。

もちろんある程度の数字の偏りは起こりえることですが、上のようなケースが「自然に」生じる確率は200分の1だとか。

つまり、「データから見れば」この投票結果は人為的に作られた可能性が高い、と言うことになります。


純粋に統計だけでものごとを断定することには危険が伴います。例えば、最近話題になっているDNA判定でも○○%の確率で真偽が述べられていますが、100%ではない、と言うことをどう考えるかはもっと議論されるべき問題なのではないでしょうか。

そうすることで、データを社会にとってより有用に、効果的に活用する道が開けると思います。

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