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これからの教育は、確率・統計・グラフ?

http://www-cc.gakushuin.ac.jp/~851051/maed/09ninomiya.pdf

今週は京都大学基礎物理学研究所の研究会、科学としての科学教育に参加しています。
物理学を中心とした科学研究者、教育研究者、中・高の現場の教師、教育分野へ関心のある若手や一般の方、と様々な分野の方々が集まって行われる議論は大変興味深く、講演後の討議も非常に活発でエキサイティングな研究会です。

個人的に特に興味深かったのが、玉川大学の二宮先生が紹介された、フィンランドの教育事情です。現在、世界のトップクラスの教育が実施されていると賞されるフィンランドも、実は1990年代に失業率20%を越えるほどの深刻な不況に陥っていたそうです。その反省の結果が、「人づくり・教育改革に取り組む」と言う結論だったとのこと。
それから20年弱と言う、国家レベルの政策としては非常に短い期間で世界のトップクラスの教育を実現したフィンランドは、今の日本の良い手本になるのではないでしょうか。

フィンランドの教育の特徴は、確率・統計学とグラフによる視覚化に力を入れていると言うことだとの説明が二宮先生からありました。基礎教育(小学校)でも確率・統計を学び、6年間で120個のグラフが扱われるそうです。
以前このブログでも紹介した、「10年後もっとも魅力的な仕事はデータ・サイエンティストである。」と言う、Googleのチーフ・エコノミストハル・ヴァリアン氏の言葉を思い出しました。

情報・データの視覚化は近い将来必ず重要な分野になる、と確信はさらに深まった一日でした。

詳細は二宮先生の資料(フィンランドの数学教育〜基礎統計学を中心に)をご覧ください。

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