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10000セントの仕事〜Ten Thousand Cents と Amazon Mechanical Turk

http://www.tenthousandcents.com/top_jp.html#project
昔のブックマークを整理していて、"Ten Thousand Cents(1万セント)"と言うプロジェクトにあらためて刺激を受けました。
このプロジェクトは、100ドル紙幣を1万個の領域に分割し、1万人の人にそれぞれの領域の絵を書いてもらったものを再構成して100ドル紙幣を作る、と言うもの。1万人の「作業者」はAmazon Mechanical Turkを通じて募集され、報酬は一人1セント。つまり、合計の報酬額も(Amazonへの「上米」を除けば)1万セント=100ドルになるわけです。さらに、できあがった、100ドル紙幣の作品は100ドル=1万セントで販売される、と言う重層的なしかけです。
各人はそれぞれの領域が手本として与えられているだけで、全体としてどんな絵ができるかはまったく知らされていない。Makingのビデオを見ると、必ずしもちゃんと模写していない人もいるようで、そういうところも楽しめるようになっています。

この作品も素晴らしいのですが、僕はAmazon Mechanical Turkと言うシステムの可能性を再認識しました。インターネットを通じて、ちょっとした小仕事を依頼する。その先は世界中であり、名前も国籍もわからなくても、仕事を行い報酬をもらう。
この方法は、これから本格的に使えるやり方なのではないか? 具体的に何を行うかまでは頭にないのですが、直感的にそう思いながら、5年前からこのシステムを行っているAmazonのすごさを認識した今日でした。

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