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日常生活であびる放射線〜放射線医学総合研究所”JISCARD”

http://www.nirs.go.jp/research/jiscard/index.shtml
福島原子力発電所の事故以來、メディアにも多々登場している、独立行政法人放射線医学総合研究所、通称、放医研。研究所の名前が示すとおり、放射線と医療に関係する研究に取り組む研究所です。

放医研では早くから放射線防護の調査・研究も行われています。例えば、航空機搭乗時にどれくらいの放射線を浴びるかを予測するのが、航路線量計算システムJISCARD。このサイトでは被ばくに関する様々な情報が得られます。まさに、今、多くの人が知りたい情報がまとめられています。

また、JISCARDのトップページの右下にある「日常生活でうける被ばく」は、自然放射線や医療放射線など、日常生活であびる放射線にはどういうものがあり、どれくらいの量をあびているのかを、動画を使ってわかりやすく説明するコンテンツです。

実はこのJISCARDのサイトとコンテンツは、うちの会社が制作させていただきました。制作したのは2006年度なので、もう5年前になります。当時は放射線被ばくの研究がこれほど注目をあびることになるとは、夢にも思っていませんでしたが。

今回のことで実感したのは、有用な研究活動を平素から情報発信しておくことは、社会にとって非常に有益なことだ、と言うことです。良くも悪くも注目されていない時期の活動が大事なのだと思います。
研究アウトリーチの目的は、よく言われる「税金の使い道を国民に見せる」ではなくて、まずは「研究を社会に公開する」、ことだと思います。

アウトリーチから、新たな価値が生まれるかもしれない。研究者にも、そういう前向きな姿勢が欲しいものです。

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