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大都会の脅威:長周期地震動〜JSTサイエンスニュース

http://sc-smn.jst.go.jp/sciencenews/detail/M110001-007.html
制作に参加している科学技術振興機構のサイエンスニュースで、今回、長周期地震動をとりあげました。長周期地震動とは、地震波の中の比較的ゆっくりした揺れで長時間続く傾向があります。この長周期地震動が問題視されているのは、都会がある平野部で顕著に現れることと、高層ビルが長周期の揺れと共振しやすいためです。つまり、長周期地震動は大都会を襲う、地震波なのです。
今回の東日本大震災でも東京の高層ビルが10分以上にわたって揺れ続けると言う現象がおき、仕事中の時間に恐怖を体験された方も多いでしょう。

今回の取材で話を伺った名古屋大学大学院の福和伸夫教授によると、将来高い確率で発生すると考えられる東海、東南海、南海地震では、震源が近いことと、長周期の成分を増幅する柔らかい堆積層があることから、かなり深刻な問題になると予想されているそうです。

国土交通省は昨年度、長周期地震動への対応案をまとめ、パブリックコメントの募集も行っていますが、東日本大震災の発生で、対応案は見直されているようです。すでに多数存在する高層ビルをどうするのか、その費用は誰が負担するのか、など、防災減災の施策の中でも重要な課題のひとつになると思います。

都会で働く私たちは、まず長周期地震動とはどういうものであるかを認識すること、もしもの際は適切な待避行動をとれるよう準備をしておくこと、このような意識が大切なのです。

今回の取材を通じて、いろいろと勉強になりました。それをまとめた映像をぜひ見てください。

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