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サイエンスメディアな日々   インフォグラフィクスな日々

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Processingが創るオープンな社会像〜Processing 2.0へむけて

http://vimeo.com/28117873

Ben FryとCasey Reasが2001年に発表したプログラミング言語Processingの最大の貢献は、アーティストとプログラマーの壁を取り払ったことだろう。Ben Fryのユーモアある表現を借りれば、Processingは「有能なデザイナーをプログラミングとコンピュータの世界に連れ込んでキャリアをぶちこわし、エンジニアやコンピュータ科学者をデザイナーやアーティストと言う儲からない仕事にむけさせた」のである。

Processing開発の経緯を、開発者のBen FryとCasey Reasが語る貴重なビデオが、Eyeo/Vimeoにアップされている。Processingユーザなら、あるいは、Processingに興味があるなら、必見の映像だ。(ちなみに、彼らがMITメディアラボ教授、ジョン前田による有名なプロジェクト、"Design by Numbers"に参加していたことを、僕はこのビデオで初めて知った。新しい時代を創る人々はやはり何らかの形でつながっているのだ!)

Processingの成功は、二人の開発者の独創的な着想と技術力に依っていたことは間違いないが、このビデオでCasey Reasが述べているように、リリース後の発展は世界中のプログラマーやアーティストの参加によるところが大きい。プログラマーとアーティストのコミュニティが、「オープン指向」を共通基盤として、新しい文化を築き上げたのだ。

今、オープン指向を必要としているのは、ソフトウェアや、アート・デザインの分野だけではない。あらゆる分野が閉塞感から脱却するための方法として、オープン指向をうたい始めている。異分野にまたがるオープン・コミュニティをつくるしくみを、社会は渇望している。

Processingの(他には、例えば「初音ミク」)の世界的な成功を見るに、もしかしたら、これから様々な分野のオープン・コミュニティの媒介となるのは、それぞれの分野にカスタマイズされたオープンなプログラミング言語かもしれない。

漠然とした思いつきだが、案外、正しい直感なのではないだろうか。

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