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サイエンスメディアな日々   インフォグラフィクスな日々

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科学好きの傾向を探る〜Hilary Mason氏の調査

http://www.scientificamerican.com/article.cfm?id=graphic-science-science-lovers-web-traffic
インターネットの世界は、データの世界でもある。コンピュータとネットワークで作られるインターネット上での活動は、ほぼすべてをデータ化することが可能となるからだ。インターネットが社会のメイン・インフラストラクチャーになれば、人間の様々な行動がデータ化され、分析される世の中になっても不思議ではない。いや、おそらくそうなるだろう。
Scientific Americanに掲載されたHilary Mason氏の調査はその事例のひとつだ。bitlyのチーフ・サイエンティストであるMason氏は、600の科学サイトを対象に、それらのサイトを訪問したユーザーが、次にどこを訪れるかを追跡調査した。その結果を分類することで、どの分野がどの分野と密接に関係するのか、あるいは、関係が少ないのかを可視化した。関係の強さは、可視化されたリンクの太さ・色と、各カテゴリーの位置の近さで表現される。上部のスケールをマウスでクリックすれば、該当するリンクのみを見ることもできる。
その結果には興味深い発見がある。例えば、科学の各分野の中で、特に生物学は他の科学の分野と強いつながりを持っている。生命の謎を解くためには、あらゆる学問を総合する必要があるということか。一方、化学は他の分野との関係が少ない。化学の「無関係さ」は、宗教と同等に見える。化学がとても面白くて他に目が行かないのか、化学者は研究が大変で他の分野に関心が持てないのか。
もっと面白いのは、物理学がファッションと結びつきが強いこと。物理学の研究者はオシャレなのか?経験的にはあまりそう思わないが、もっと調査すると面白いだろう。また、天文学は、遺伝学とつながりが大きい。生命の起源は宇宙だ、との仮説に着目する人が多いのだろうか?テクノロジーと教育のつながりが強い事も興味深い。これは新しいICT教育が始まろうとする予兆かもしれない。
このように、Mason氏の調査から、様々な発見や仮説が生まれる。そこには、次の研究のヒントや、新しいビジネスチャンスがあるかもしれない、と考えるのは僕だけではないだろう。
データの可視化には、大きな魅力があると思いませんか?

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