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プロジェクション・マッピングを外科手術に利用する〜神戸大学・杉本博士による"Mixed Reality Surgery"


最近、見かけることが多くなった、プロジェクション・マッピング。街中の建築物に投影される幻想的な映像は、普段見慣れた景色を異次元世界に変えてくれる。しかも、プロジェクション・マッピングの活躍の場所は、エンターテイメントだけではない。
神戸大学医学部の杉本真樹博士が開発した"Mixed Reality Surgery(複合現実感手術)"は、患者の体表面に臓器血管の画像を投影して手術を行うもの。臓器のボリューム・データ(空間的な広がりを持ったデータ)を、オープンソースの画像処理アプリ、"OsiriX"を使ってリアルタイム・レンダリングし、投影している。これも一種の「プロジェクション・マッピング」だ。
動画からの推測だが、体の任意の断面を見ることで、手術しようとしている臓器の位置や、そこに至る通路を手術前に把握でき、それによって手術の切開を的確に、かつ、最小限にする効果があるようだ。

AR、MR、プロジェクション・マッピング等の新しい映像技術は、エンターテイメントから実用的な分野に応用され始めている。映像技術が世の中を変える時代は、間違いなく来るだろう。

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