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LEGOで古代のコンピュータを再現する:The Antikythera Mechanism Research Project

http://youtube.com/watch?v=RLPVCJjTNgk
アンティキテラ島の機械とは、紀元前1世紀のギリシャで製作された歯車で構成された機械だ。1901年、アンティキテラ島のそばの海底で発見されてから長らくの間この機械が作られた目的は謎だった。近年の調査によってようやく、惑星の運行を計算するために作られた機械式計算機、すなわち世界最古の「コンピュータ」であることが判わかってきた。

この発見に触発された研究者や技術者によって機械の構造を解明するための様々な調査が行われ、2000年以上前に作られたとは信じられない、精巧なメカニズムを持っていることが徐々に明らかになってきた。その結果は、例えば、機械の構造を可視化した3DCGによって、僕たちのような一般市民も知ることができる。そして、数々の調査の中でもとりわけユニークな取り組みは、アンティキテラ島の機械をLEGOを使って再現しようと言うプロジェクトだろう。

LEGO版アンティキテラ島の機械は、1500個のLEGOピースと110の歯車を使い、1ヶ月かかって組み立てられた。中央の駆動モジュールは、左右のモジュールに力を伝達し、それぞれが同一の計算を行う。モジュールには4つのギア・ボックスがあり、それぞれのギア・ボックスがひとつの演算を受け持っている。ギア・ボックスには現代の機械工学と変わらない、精巧なしくみが使われている。例えば、モジュール最後列のボックスは回転を5/19倍するが、これを実現しているのは、5:1の歯車ひとつと3:5の歯車2つからなる差動歯車だ。
このようなモジュールが多数連結され、惑星の「食」がいつおこるのか、その日付を予測することができるのだ。実際、このLEGOで再現された機械によって、2024年4月8日の日食を計算することに成功したと言う。

古代ギリシャ人の知恵ももちろんすごいが、LEGOの応用範囲の広さにも感心する。先日紹介したGM社のマネジメントツールと言い、LEGOは単なる玩具ではなく、大きなポテンシャルを秘めたツールだ。
LEGOは、現代版「アンティキテラ島の機械」なのかもしれない。

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