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サイエンスメディアな日々   インフォグラフィクスな日々

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科学技術用語の栄枯盛衰を見る:The Popular Science Archive Explorer

http://www.popsci.com/content/wordfrequency#computer

「ポピュラー・サイエンス」は、創刊1872年の歴史ある科学雑誌。タイトル通り、一般市民の目線で時にSF的なものも含めて科学技術を広く伝えてきたメディアだ。2009年、ポピュラーサイエンス誌はGoogleと共同で記事のデジタル・アーカイブ化を行い、全1563号、1.35ギガバイトにもなる記事のデータベースが構築された。それを元に作られたのが、科学技術用語を検索し、可視化するインタラクティブ・コンテンツ、"The Popular Science Archive Explorer"だ。
このコンテンツは、ポピュラー・サイエンスと言う雑誌のデータベースであるだけでなく、1世紀以上にわたる(米国の)科学技術の歴史、栄枯盛衰を知る貴重な資料とも言える。そのひとつ、「テーブル版」では、ユーザーが入力した任意の用語が、創刊号から2009年までの各号にどれくらい含まれているか、その頻度が可視化される。僕もいくつか単語を入力してみた。

  • 原子力を表す、"NUCLEAR"は、1870年代から使われているが、そのピークは、1945年から1960年代だ。原子力が夢のエネルギーと考えられていた時代が見えてくる。そしてその後も途切れなく使われている用語である。

  • "DNA"はどうか。二重らせん構造の発見は1953年だが、発見の年を含め、50年代はほとんど使われていない。1963年ごろ特異的に現れるが、本格的に扱われるのは1980年代の後半から90年代に入ってからのようだ。

  • "INTERNET"と言う言葉は、1989年の9月号で初めて現れている。その後しばらくは沈黙していたが、1992年頃から徐々に現れ始め、特に1996年〜2001年がピークのようだ。

他にも色々単語を入れて見れば、思いも寄らぬ発見ができるかもしれない。The Popular Science Archives Explorerは、一般目線から見た科学技術を知る上で、大変面白いデータベースだと思う。インターネットと可視化の助けを借りて、「長く続いているもの」はすべて貴重なコンテンツになりそうだ。そんなことを感じる事例でもある。

なお、各号に対応するマスをクリックすると、用語の使用回数とともに表紙も表示される。ポピュラーサイエンスの表紙が時代と共にどう変わっていったのか、と言うのを見るのも楽しい。

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