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サイエンスメディアな日々   インフォグラフィクスな日々

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「Makerムーブメント」は世界を変えるか:Maker Conference Tokyo 2012

http://jp.makezine.com/blog/2012/06/mct2012_site_open.html

[2012.11.3補足]
今回のMakerムーブメントの取材は、サイエンス チャンネル にまとめました。ぜひご覧ください。
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日本科学未来館で開催された、Maker Conference Tokyo 2012に参加した。
サイエンスニュースのリサーチ取材として参加したのだが、、個人的にも以前から楽しみにしていたイベントだ。

日本で初のカンファレンス形式のMakerイベントは、雑誌Makeの創刊者で"Maker Movement"の中心人物であるデール・ダハティ氏の基調講演や、IAMASの准教授でGainer/Funnelの開発者である小林茂氏がファシリテーターとして参加するなど、期待するなと言われても期待してしまう内容だ。実際、会場で見聞きしたことや出会った人々には大いに触発され、事前の高い期待をはるかに越えた体験だった。

プレゼンテーションで紹介された過去のMaker Faireの参加者や今日のMaker Conferenceの参加者の顔には、「自分が考えたことを自分の手でを作りたい」と言う、シンプルでピュアな思いがきらきらと光り輝いているようだった。

参加者それぞれの発言には共感するものが多く、知見も広がったが、その中でもやはりダハティ氏の講演には大きな示唆を受けた。その最後を締めくくったメッセージは、「誰もが、コンシューマー(消費者)ではなく、メーカー(作り手)になるべきなのです」。

この言葉は、以前聞いた鷲田清一氏の言葉を思い出させた。「皆が消費者となり、人に仕事を委託するようになった。そんな社会で唯一できることが、クレームをつけることになってしまった。これが、クレーマー社会の本質だ。私たちは今、他人にやらせるのではなく、もう一度自分自身の力で生きる術を取り戻す必要があるのではないか。」と言う言葉だ。

"Maker"でもある多くの参加者からは「何かあたらしいもの、面白いモノを作りたい」と言う熱気が、ひしひしと伝わってくる。これこそ鷲田氏の言う「生きる力」だ。肩肘張らず、気軽で楽しくやりながらも、社会に大きな変化をもたらすような、新しく力強い空気を感じる。

今回、Maker Conferenceに参加してわかったことは、Maker Movementとは、人々が生きる上での基本的な「考え方=マインド・セット」だと言うことだ。そのマインド・セットは、Makerを自身で体感してみることでしかわからないかもしれないが、逆に、体感すれば誰でも感じることができることなのだ。

一人一人が"Maker"になること。そうすれば、世界は変わる。頭ではなく、体全体でそう感じた貴重な一日だった。

<写真は、デール・ダハティ氏のプレゼン資料から「メーカーとは何か?」>

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