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サイエンスメディアな日々   インフォグラフィクスな日々

サイエンスのこと・テクノロジーのこと・ビジュアリゼーションのこと

写真の代わりに文章が出てくるカメラ:Descriptive Camera

http://mattrichardson.com/Descriptive-Camera/
テクノロジーの進歩と低価格化、オープン・ソースとソーシャル。それらが組み合わさって、今まで不可能だと思っていたことや、思いつくことさえなかったことが、次々と現実のものになっている。Matt Rechardsonが作った”Descriptive Camera”もそのひとつだ。

Descriptive Cameraカメラのシャッターを押しても、画像はいっさい出力されない。シャッターを押して数分間待たされた後(この間は「現像中」のランプが点滅する)、カメラに組み込まれた小型プリンターから出てくるのは、そこに映っているはずの事物を描写した「文章」なのだ。


例えば次のような風景に対して、Desriptive Cameraから出力される文章は、「壊れかけたビルの色あせた写真です。ビルは古く、修理が必要なようです」。
http://mattrichardson.com/Descriptive-Camera/


下の被写体にむけたカメラから印刷されるのは、「古くて汚い戸棚のようです。銘板がついています。デスクスタンドも見えます」と言う文章だ。
http://mattrichardson.com/Descriptive-Camera/


画像認識のテクノロジーもここまで進んだか、と驚くかもしれないが、実は仕掛けがある。Descriptive Cameraは撮影した画像を、Amazon Mechanical Turkにアップロードする。Mechanical Turkとは、オンラインで「小仕事」を仲介するサービス。アンケートやモニターなど、一回数セント~数ドルの小さな仕事が取引されている。Descriptive Cameraはこのサービスを通じて「画像の描写」という仕事を依頼し、その結果を出力すると言うわけだ。Rechardson氏によると、一回の「現像」にかかる時間は平均6分程度、早ければ3分ほどで出来上がるそうだ。

種を明かせば人力のローテクなのだが、「オンライン協業」という新しい仕事のしくみを使って今までにないビジネスモデルを作ったという点では、かなりのハイテクではないだろうか。あるいは、人と技術の融合という側面では、新しいソーシャル・メディアの原石のひとつかもしれない。単なる「一発アイデア」ではない、大きな変化につながる可能性を感じるテクノロジーだ。

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