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サイエンスメディアな日々   インフォグラフィクスな日々

サイエンスのこと・テクノロジーのこと・ビジュアリゼーションのこと

周辺視野を利用した没入感のある映像システム:"Infinity-by-Nine" by M.I.T.

先日、MITメディアラボが開発した"Infinity-by-Nine"がネットで話題になっていた。マルチプロジェクションによるミニCAVE(ケイブ)のように見えるシステムは、左右と上に「周辺視野」映像を投影し、没入感の高い体験を提供するというもの。「周辺視野」の映像はメインモニターに映るオリジナル映像から自動的に生成されるが、単純にエッジのいくつかのピクセルを延長したものではなく、経験則によるあるルールに基づいた動きや色をリアルタイムで計算しながら作りあげているそうだ。ハードウェアは市販のCPUとGPUの組み合わせで、特殊なものは使っていないとのこと。

人間の視野の内、詳細が認識されている部分は、腕を伸ばした親指の先くらいしかなく、それ以外は「ぼんやり」見えているに過ぎないそうだ。人間の眼球は絶えず動いてスキャンしながら、一定の範囲を「見ている」と思っているわけだ。そうであれば、注視することのない周辺は、詳細な映像でもぼんやりした映像でも認知上は変わりないだろう。"Infinity-by-Nine"は人間の認知特性を上手く利用した、効率的なシステムと言えるかもしれない。

"Inifinity-by-Nine"は、現時点では商業製品として市場に出る予定はないそうだが、シアターやゲームへの応用は十分可能性がありそうだ。

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