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太平洋を漂う震災がれきを可視化する:Tracking Japan's Tsunami Debris

3.11の大震災で発生したがれきの多くが海に流れ、海流に乗って太平洋を漂流している。その様子をアメリカ海洋大気庁(NOAA)が、コンピュータ・シミュレーションと人工衛星による観測を組み合わせてトラッキングしている。

上の映像はモデル計算の可視化だ。アメリカの西海岸付近までたどり着いたがれきは、西海岸からハワイ諸島に戻る海流に乗る。その一部は沖縄付近まで戻り、他の一部は西海岸とハワイ諸島にわたる大きな循環流に乗っているようだ。

がれきは単なる廃棄物として迷惑なだけでなく、トドやアザラシが口にすると生命の危険もあると言う。また珊瑚礁や船のスクリューにもダメージを与える恐れがある。そして今回は、放射能に汚染されたがれきも含まれる。

可視化映像によって、震災がれきは日本だけの問題だけではなく、地球の広い範囲にわたって影響を与える大きな問題だと言うことが実感される。NOAAの海流のシミュレーションと可視化は、がれきの処理に少なからず役立つだろう。そして、今回のような非常事態に直面した時、ただ立ち尽くすだけでなく、即座に対応する方法を準備することが必要だ。それは日頃の研究開発の積み重ねしかないと思う。

事が起きてからでは遅いのだから。

(詳細はPBSの記事を参照してほしい)

http://www.pbs.org/newshour/rundown/2012/03/tracking-japans-tsunami-debris.html

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