読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

サイエンスメディアな日々   インフォグラフィクスな日々

サイエンスのこと・テクノロジーのこと・ビジュアリゼーションのこと

音によるバリアフリー技術:見直しが進む、音サイン

http://sc-smn.jst.go.jp/playprg/index/M120001009

音サイン、と言うのをご存知だろうか。駅の改札や出入口で「ピンポーン」と言う音を聞いたことはあると思う。あれが、音サインだ。主として視覚障害者に場所や方向を教える、音による案内なのだ。
音サインは2000年の交通バリアフリー法で本格的な普及が始まり、現在は多くの公共交通機関に設置されている。現行のガイドラインでは、改札口、地上の出入口、ホームにつながる階段、エレベータ、トイレの5箇所で定められている。

普及が進んだ音サインだが、問題もある。現行の音サインは普及が優先されたため、その音について科学的な検討がされていない。もっぱらデザイナーの「勘と経験」で決められたものなのだ。音サインの重要な役割は、視覚障害者に方向を伝えることだ。しかし、耳には心地よい澄んだ音、すなわち周波数成分の少ない音は、方向を伝えにくいと言う欠点がある。

その理由はこうだ。私たちに届く音は、耳目の凹凸によってある周波数は強められ、ある周波数は弱められる。この効果は音が来る方向によって変わるので、鼓膜に届く周波数成分の変化も変わる。この変化の違いによって、私たちは音が来る方向を把握しているのだ。
逆に言えば、周波数成分が少ない音は、その変化も少ないため、音の方向がわかりにくいのだ。
(補足:これは上下前後の話。左右の定位は、左右の耳に届く音の時間差による。)

このような音サインの問題を解決するため、日本福祉まちづくり学会に音サインワーキンググループが作られ、音サインの見直しと規格化が進められている。その成果はJIS規格、ISO規格として今年度から来年度に発行される計画だ。

実は音サインの実用化は日本はトップランナーだ。日本発のバリアフリー技術として、世界に貢献する成果に期待したい。

copyright(c) 2008-, Atsuhiko Yasuda All Rights Reserved.