アメリカの大統領選挙が近づいてきた。日本はそれどころではない状況とは言え、アメリカの政治が世界を大きく左右することは誰もが認めることであり、関心を持たないわけにもいかない。民主党と共和党、どちらが勝つのか。その動向を予想する様々な試みも行われている。
"Amazon Election Heat Map"は、Amazon.comで販売されている政治関連の書籍の中から「青本(ブルー・ブック=親民主党の本)」「赤本(レッド・ブック=親共和党の本)」、各250冊のリストを作り、販売数と購入者の住所から、各州で優勢な政党を推定したもの。青本/赤本の分類は、書籍のプロモーションやカスタマーレビューを参考にしており、各州の色は、明らかな差がある場合は濃色で、ほぼ50/50に近い場合は淡色で描画されている。
もちろん、書籍の購入が直接投票に結びつくものではないし、元々の青本/赤本の書籍リストにも曖昧さは残るだろう。非政治的な読み物としての優劣、というファクターも除外できない。
それでも、このAmazon.comの試みは、入手可能なデータから関連する現象を予想するデータ・サイエンスのひとつの実験として興味深い。前提条件を明確にすれば十分な参考になるし、一部の「感覚的・感情的な」専門家の意見やバイアスのかかったマスメディアの報道より、はるかに客観的で、信頼できる情報かもしれない。