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一口に原子力爆弾と言っても…:Nuclear Bomb Power

原子力爆弾は通常兵器に比べると莫大な破壊能力を持っている。それは間違いない。しかし一口に原子力爆弾と言っても、色々ある。各原爆のエネルギーを比較したインフォグラフィクス、"Nuclear Bomb Power"を使って、比べてみよう。

人類史で実際に戦争に使われた原爆は、広島に落とされたLittle Boyと、長崎のFat Manの2つ。これら原爆の規模はどれくらいだったのだろうか。
このインフォグラフィクスによると、Little Boyは、TNT(ダイナマイト)換算で15キロトンに相当。Fat Manは、21キロトンだ。

その後、1952年11月にマーシャル諸島での核実験に使われた、Ivy KingはTNT500キロトンのエネルギーを放出した。(このインフォグラフィクスには無いが、その直前のIvy Mikeは10-12メガトンとさらに大きな爆発だった。)

1962〜65年に製造されたB53は、9000キロトン(9メガトン)の能力を持つ。ちなみに、B53の最後の一体が解体されたのは2011年。つい最近まで現役だった原子力爆弾だ。

さらにビキニ環礁で1954年3月に実験が行われたCastle Bravoは、1万5000キロトン(15メガトン)。LittleBoyの1,000倍になっている。

以上の原爆はすべてアメリカのもの。対する旧ソビエト連邦はさらにすごい原爆を持っていた。
旧ソ連TZAR BOMBA(ツアーリ・ボンバ)は人類史上最大の核実験で、その能力は5万キロトン(50メガトン)のTNTに相当する。実験で生じた衝撃波は地球を3周したと言われるほどだ。

広島・長崎の原子力爆弾でさえ、人類にはもはや制御できない兵器だと言われるが、その後の冷戦で開発した原爆がひとつでも戦争に使われていたらどうなっていたのだろうか。そう考えると、恐ろしくなる。
http://www.coolinfographics.com/blog/2012/5/15/ingeniously-charting-the-horrifying-power-of-todays-nuclear.html

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