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サイエンスメディアな日々   インフォグラフィクスな日々

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検索で知る世界の人々の思い:Life through Google's eye

Google検索エンジンは現在、181の国々・146言語で使われ、一日の検索数は、数十億から数百億に達すると言われる。間違いなく、インターネット社会の中心にGoogleがいる。
検索とは知りたいことの答えを探すことであり、人々の疑問や願い、悩みと直接・間接につながっている。つまり、Googleで検索されたキーワードを集めたデータベースは、世界中の人々の現在の「思い」を表す、生きたデータベースでもあると言える。

そんなアイデアを下敷きに作られた、"Life through Google's eye"は、Googleの検索画面をキャプチャーしただけの動画だ。その検索画面に入力されるのは、"I'm ## and" 「私は##歳です、そして…」と言うテキストである。テキストが入力されると、即座にGoogleサジェストが起動し、後に続く言葉を補完してくれる。この補完は、Googleのデータベースにもとづいている。つまり、その年齢の人間の、もっとも関心のある言葉だと考えることができる。そして、その多くは、悩みや苦しみである。

"Life through..."の検索フォームを通して、ネットのむこうで検索エンジンに向かう人々の気持ちが伝わってくる。それらは、切なく、やりきれない。ふと、検索エンジンは悩める人々の心の支えになっているのかもしれない、と思った。友人や家族に相談するより先に、検索エンジンに相談する。どんなことを聞いても、嫌がることなく、淡々とアドバイスをくれる検索エンジンは、もっとも優しい「他人」なのかもしれない。検索エンジンは、世界中の誰でもないが、世界中のすべての人でもある。

Googleの検索フィードという小さな入り口、その背後にある巨大なデータベース、そこから見えてくる、世界中の、様々な年齢の人々の悩みと苦しみ。"Life through Google's eye"は、素朴で奥が深い、可視化の事例である。

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