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「考える人」と一緒に専門分野を考えよう:"The Science Thinker" by 東京大学

http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000007369.html

東京大学駒場キャンパスに、高さ2.4mの巨大な「考える人」が出現したらしい。
しかし、この「考える人」、ただの「考える人」ではないようだ。白色のボディはポリゴンで構成され、その表面や周囲の壁にプロジェクションマッピングで浮かび上がるのは、自然科学の研究テーマ…。

この「考える人」の正体、実は、東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻相関基礎科学系(なんと長い名称だ!)が、大学院生と研究室との間をギャップを埋めるために作った「専攻案内」なのだ。
説明には、こう書かれている。

東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻相関基礎科学系は
約50の研究室が日夜、多様かつ創造性溢れるテーマを研究している場所です。
科学史・科学哲学などメタレベルでの自然科学を対象とした研究から
クォークからインテリジェントマテリアル まで」という標語のもとに
素粒子原子核、原子・分子から様々な高次構造体までを対象とする
広範かつ最先端の物質科学研究を展開しています。

http://the-science-thinker.jp/
オブジェと同時に公開された"The Science Thinker"のサイトでは、「考える人」のまわりに浮遊するバブルのひとつひとつが、科学のキーワードを表し、クリックするとその解説が表示される。「考える人」と一緒に、どの研究を志望するかを考えよう、と言うことらしい。

奇抜なオブジェは「『学問の化学反応』のダイナミズムをアートと科学が融合した手法で表現した」ものとのこと。確かに目を引くことは間違いないが、これから専門分野を決めようという学生が、余計に混乱して、何だかわけがわからなくなって、自然科学を断念し、アートの道に走らなければよいが、と心配になったりする。(余計なお世話ですね。すみません。)

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