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サイエンスメディアな日々   インフォグラフィクスな日々

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視力を回復するクールな医療機器:Bionic Eye by Monash University

http://www.monash.edu.au/bioniceye/technology.html
新しいAVガジェット?あるいは、グーグルグラスの次バージョン?

そんな第一印象を受けるこのクールな機器、実はオーストラリア・モナシュ大学の生体視覚グループによって開発が進められている医療機器。視覚障害者の視覚を回復する先進デバイス、バイオニック・アイだ。

豪・ABCニュースの記事を参考にまとめてみた。

まず、バイオニック・アイのしくみはこうだ。
機器前方に取り付けられたデジタルカメラで周囲の映像を撮影する。その信号は特別なデジタルプロセッサーで変換処理された後、後頭部のコイルから、脳の視覚野に埋め込んだセラミック製電極に無線で伝えられる。電極を通じて視覚野に伝えられる信号は、学習を通じて視覚として認識されるようになる。
http://www.abc.net.au/news/2013-06-07/latest-bionic-eye-prototype-unveiled-in-victoria/4741190?section=vic


モナシュ大学のアームストロング教授らは、この機器を使えば、重度の視覚障害者の8割以上が視力を回復できると考えている。
「これで見えるのは、低解像度のドットパターン程度だと思います。しかし、それでも例えば、テーブルの端や家族のシルエット、溝の縁を見るには十分です。治験を行うまでは正確なことは言えませんが、もし私たちの計画通りなら、視覚障害者が再び世界とつながることができるのです。それはすごいことです。」

アームストロング教授らが開発しているのは、先進のテクノロジーだけではない。バイオニック・アイの開発ではデザインも重要な要素として考えられ、プロジェクトには科学者だけでなく、デザイナーも参画している。

「かっこよく、似合っていることが大事なんです。最新のブルートゥース機器みたいにね。」

バイオニック・アイのアイデアが提唱されたのは、2008年。当初、アームストロング教授自身、「眉唾もの」だと思ったという。しかし今は、第一印象は間違っていたと認めている。すでにプロトタイプの試作が行われ、順調に進めば、来年には人体を使った最初の実験が行われる予定だ。

最先端のテクノロジーが人間の能力を補い、回復がほぼ不可能と考えられていた障害をも克服できる時代が来ようとしている。バイオニック・アイは、視覚障害者だけでなく、医療の「視野」をも大きく広げる技術になるだろう。

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