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「卵子の冷凍保存」は働く女性を救うか?:Apple, Facebook to pay for women to freeze eggs

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社会における女性の活用は、世界の潮流だ。あらゆる国、あらゆる仕事で今、女性の活用が期待され、日本もようやく本気で取り組み始めたようだ。しかし、女性がその能力を本当に社会で発揮するには、まださまざまな課題がある。その中でも、あらゆる女性に共通したもっとも大きな課題が、出産と育児だろう。今回、AppleFacebookが発表した「女性のための福利厚生」は、その解決策になるだろうか。

Facebookは、養子縁組などへの支援とともに、「卵子の冷凍保存」に2万ドルまでの金銭的支援を行なうと発表した。Appleも、育児休暇の延長や不妊治療、養子縁組に加え、卵子の冷凍保存も支援することを決めた。Appleの担当者は、こう述べている。

私たちはアップルで働く女性たちに、愛する家族を持ち、育てるという、人生の仕事でも最善をつくしてほしい。その支援をしたいのです。


卵子の冷凍保存は1回の処置に約1万ドル、取り出した卵子の冷凍保存に年500ドルほどかかるそうだ。通常は2回の処置を行なって、20個ほどの卵子を保存する。

もともと卵子の冷凍保存は、がん患者のために行われ始めた。抗がん剤治療で卵子の生成能力に損傷を受ける前に卵子を保存しておこうという目的だ。以前は冷凍保存の技術は不完全だったが、ここ数年で大きく進歩したという。もっとも健全な妊娠が得られやすいと言われる20代に卵子を保存し、仕事に余裕ができた30代、あるいは40代で子どもを産むということも、十分現実的になったと専門家は考えている。(ただし、そのような長い期間冷凍保存した卵子を体内に戻した実例はまだない。)

 

今回のFacebookAppleの「福利厚生」は女性たちにとって大きな魅力になるだろう。しかし、すべての女性が飛びつくかどうかは疑問、という声もある。多数の卵子を取り出すためのホルモン注射や卵子を取り出す医療処置は、女性に負担を強いる。また、たとえ技術的に可能だとしても、人生への価値観や考え方と乖離する場合もあるだろう。

 

最終的に選択するのは企業ではなく、女性自身(そして、その家族や関係者)だ。より良い選択のために、選択肢が増えることは(迷いが増えるとは言え)歓迎すべきことだと思う。

 

出典:Apple, Facebook to pay for women to freeze eggs

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