サイエンスメディアな日々   インフォグラフィクスな日々

サイエンスのこと・テクノロジーのこと・ビジュアリゼーションのこと

2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧

イランの投票の真偽をあばく

先日行われたイラン大統領の選挙、不正が行われたかどうかが大きな話題になっていますが、この選挙結果を、投票数と言うデータの見地から評価した興味深い記事が、ワシンントン・ポストのウェブサイトに載っています。(要約版は、FlowingDataのサイトにもあ…

データで観る、マイケル・ジャクソン

今週はマイケル・ジャクソンの訃報に驚きました。 僕の同世代が学生時代を語るとき、ほぼ誰もに共通の体験が、マイケルであり、「スリラー」のミュージック・ビデオです。あの、「ゾンビ・ダンス」は誰もが知っています。それほどマイケルの存在は偉大なもの…

パワーズ・オブ・テン

このブログも今回で100投稿目です。それにちなんで、「パワーズ・オブ・テン("Powers of Ten"」について書くことにしました。「パワーズ・オブ・テン」とは、1977年にチャールズ&レイ・イームズ夫妻が制作した、約9分半のサイエンス・ドキュメンタリ…

Harry Beckのパリ地下鉄路線図

以前、インフォグラフィクスの代表例として、Harry Beckのロンドン地下鉄路線図(1933)を紹介しました。Harry Beck氏は英国内で活躍しただけでなく、1951年にパリの地下鉄路線図も作成しています。水平・垂直と45度に単純化された線路、等間隔に配置され…

世界でもっとも遠い場所

交通が発達し、世界中のほとんどどこへでも行くことができる現代。もっとも行きにくい場所とはどこなのでしょうか。欧州委員会共同研究所(Joint Research Center, EC)と世界銀行が共同で行った調査は、近隣の町からかかる時間で世界中の土地を測るというも…

ビジュアリゼーションツールのランキング

FlowingDataで、データの視覚化に使っているツールのランキング調査が行われています。第一位のExcelは誰もが認めるとして、第二位の"R"が意外に健闘しています。"R"は、日本ではあまりなじみのないツールですが、海外ではWindows98の時代から定番的に使われ…

「本物の」ヒューマン・インターフェース

マルチタッチセンサーを使ったユニークなインタラクティブな作品やパフォーマンスを発信しているmultitouch-Barcelona.com。Processingのサイトなどでその存在は知っていたのですが、同グループのサイトに、ユニークなマルチタッチ作品が発表されていました…

映画「ランボー」で殺された人の数を可視化するコンテスト

シルベスター・スタローン扮するベトナム帰還兵と現代社会との「戦い」を描いた映画「ランボー」。 全4作にわたるこの映画の中では、たくさんの人がお亡くなりになるようです。(私はまだこの映画を見ていないのです。すみません。)FlowingDataが、「ラン…

GOODがFlickrに

以前紹介した雑誌GOODの記事の中で、"Transparency"シリーズは、社会の様々な情報をすばらしいインフォグラフィクスで伝えてくれる、情報可視化の最先端のひとつです。最近、この"Transparency"のインフォグラフィクスが、Flickrで公開されるようになりまし…

ニュースの視覚化 Digg Labs

誰もがニュースを投稿でき、ユーザの投票(digg)で表示順が決まる、ユニークな「参加型ニュースサイト」のdigg。このdiggの情報を視覚化する実験的なサイトが、digg lagsです。画像がスライドしながら現れるPics、記事とトピックスと投稿者が円形を作るArcs…

データを「民主化」する。 "Many Eyes"

個人が持っているデータを視覚化し、みんなでシェアしよう、と言うサイトが、"Many Eyes"です。人間が持つパターン認識の力を最大限に活用し、「多くの眼」でデータを見ることによって、新しい知見を得よう、と言う試みです。開発、提供しているのは、IMBの…

リアルで美しい生命の世界〜バイオビジョンズ

生命科学の分野にもすばらしいCGが数多くありますが、映像の完成度と言う観点では、BioVisonsに勝るものはないでしょう。ウェブサイトで公開されている、"The inner life of the cell"は、リアルさと美しさを両立した、思わず見入ってしまうすばらしいCGです…

超ロングセラーのインフォグラフィクス "Gray's Anatomy"

150年間現役で使われているインフォグラフィクスがあります。 1858年にヘンリー・グレイが著した、"Gray's Anatomy"(「グレイ解剖書」)と言う学術書です。現在第40版を重ねる本書は、今でも解剖学の「バイブル」として世界中で使われています。ほぼ全頁…

ナレッジキャピタル・トライアル

みなさんは、ナレッジキャピタルをご存知でしょうか。ナレッジキャピタルとは、現在開発が進められている大阪北ヤードの中核にあり、企業、研究者、クリエイターが「感性」「技術」を持ち寄り、交わり、コラボレーションすることで新たな価値を生み出してい…

デジタルは人間の限界を広げるか?〜"eDream"

米国立スーパーコンピュータ応用研究所で、サイエンス、テクノロジー、アートをつなぐ興味深いプロジェクトが始まっています。 プロジェクト名は、"eDream (the Emerging Digital Research and Education Institute )". 先端可視化研究所(Advanced Visuzliz…

オークランド・クライムスポッティング

身近な社会情報を視覚化しているサイトの中で、オークランド・クライムスポッティング("Oakland crimespotting")は、フロントラインにあるサイトのひとつだと思います。 このサイトは、オークランド市街で発生した犯罪を視覚化していて、犯罪の種類、発生…

データの洪水とビジュアリゼーション

先日、10年後もっとも魅力的な仕事は、新しい統計屋である、と書きました。この背景には、インターネットの普及によって大量のデータにアクセスできるようになったことがあります。私たちが今、どれくらい多くのデータに直面しているかを示す「データ」に…

ケータイの未来

インテックス大阪で開催された組み込み総合技術展WESTに行ってきました。 不況の影響もあってか、昨年度に比べると手堅い展示が多いように感じましたが、AndroidやZigbeeのセクション等、なかなか盛り上がっている分野もありました。 基調講演では、慶応大学…

和製インフォグラフィクス〜江戸切絵図

「江戸切絵図」と呼ばれる地図があります。嘉永年間の江戸ほぼ全域が網羅された地図なのですが、単なる古地図ではありません。数多くの情報が盛り込まれた、高度なインフォグラフィクスです。切絵図から次のような情報を読み取ることが出来ます。【色】白は…

虹が出たなら

今日、仕事の帰り、電車の中からふと外を見ると、街並みの向こうからきれいな虹が立ち上っていました。 電車の左の窓からは虹の左の足が、右の窓からは虹の右の足が、それぞれはっきりと見えました。電車の中だったので残念ながら天頂付近は見られなかったの…

10年後、もっとも魅力的な仕事

FlowingDataに興味深い記事がありました。以下、要約です。 - Googleのチーフ・エコノミスト、Hal Varian氏は、10年後もっとも魅力的(Sexy)な仕事は「統計屋」だと述べている。Processingの開発者、Ben Fry氏はVarian氏の先を行っていて、次のような分野…

ノーベル賞受賞者のノートは美しい…か?

最近、本を買うのが趣味になっています。(注:必ずしも読むとは限らないのが問題なのですが。)今日は、本屋で平積みになっていた「東大合格生のノートはどうして美しいのか?」(太田あや)と言う本を衝動買いしてしまいました。 太田さんの前著「東大合格…

科学技術可視化の国際的コンペ

米国科学財団(National Science Foundation)が、国際科学技術可視化コンペ(International Science & Engineering Visualization Challenge)と言うものをやっています。 コンペの要旨には次のようなことが書いてあります。「科学は言葉で語られるだけではな…

図表のYouTube "iCharts"

図表のYouTubeを目指す、とうたったサイトがiChartsです。 iChartsは2007年にできたウェブサービスの会社で、ユーザが所有しているデータをChartBoxと呼ばれるツールでグラフ化しWeb上で公開するもの。視覚化されたデータをネット上のユーザが見ることで、デ…

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