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広がるAI


本日の朝日新聞朝刊に「広がるAI」と言う記事が載っています。
AIとは"Autopsy Imaging"、解剖イメージングのことで、CT画像などで体内の出血や骨折などを調べ、死因を探るものです。海堂尊氏の小説「チームバチスタの栄光」で一挙に有名になりました。
死因がはっきりしない死亡事例は少なくありません。しかし、体にメスを入れる解剖には抵抗がある。虐待などの場合は関係者の同意も得にくい。特に日本の解剖率は4%と先進国で最低レベルだそうです。(最高はハンガリーの49%)
AIを使えば、抵抗感なく死因を探ることができる、と社会的に期待されています。
映像が医学の重要なツールになっているわけです。
そう言えば、先日のサイエンス映像学会シンポジウムで養老孟司氏は、「解剖学と言うのは『画(絵)』でしか伝えることができない。」と言っておられました。また、日大の林成之氏は、脳の内部をCTで解析することで、今までわからなかった記憶のメカニズムを解明されています。
画像(映像)は、原始的で、あいまいである一方、それ故に多くの情報量が生のまま入っている情報源でもあります。サイエンスやテクノロジーの分野でさらに画像を活用し、新しい道が開けることを期待しています。

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