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未来のモノのデザイン

http://www.jnd.org/
ドナルド・A・ノーマン氏の「未来のモノのデザイン」を読みました。
ノーマン氏の旧著"the design of everyday things"を偶然手にとって読んだのが、約10年前。以来、ノーマン氏のデザイン論は僕のバイブルと言ってよいほどです。今回の本もいろいろと示唆に富んだ内容で大いに参考になりました。

「私たちが機械に求めているのは、自動化(人間から作業を奪う)ではなく、拡張(人間の機能を広げる)である」、と言う視点はまったく同感です。


余談ですが、僕は日本での一般的な「デザイン」と言う言葉の使い方に、ずっと違和感を持っています。技術の世界では図面を書く技術者を「デザイナー」と呼びます。デザイナーは要求される機能や強度、重量、製造の容易さ、操作性、コストなど、あらゆる条件を考慮して最終的な形を決めなければなりません。それができる人が「デザイナー」なのです。
しかし、日本ではデザインの一部であるべき意匠面が強調され、人によっては「見た目がよければ多少使いにくくても構わない。」と言わんばかりの「デザイン」が少なくありません。(特に「有名デザイナー」と呼ばれる人の「作品」に、そういうものが多いように感じます…)
これは建築やものづくり等ハードウェアだけに限ることではなく、プログラムやインターフェースなどソフトウェアにも非常に大切な考え方だと思います。
僕自身、見た目はかっこいいけど使いにくいインターフェース、巧妙に作られているけど中身がわかりにくいプログラムにならないよう、気をつけていかねばならないと改めて肝に銘じています。
そのために、僕にとってノーマン氏の本はずっとバイブルであり続けるでしょう。

復習をかねて、インタラクションに関する、6つのデザインルールを書いておきます。詳しくは本を読みましょう!

1.豊かで複合的で自然なシグナルを与えること
2.予測可能であること
3.良い概念モデルを与えること
4.結果が理解可能であること
5.煩わしくなく、連続的な気づきをもたらすこと
6.自然なマッピングを活用すること

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