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ケータイの未来

http://www.jasa.or.jp/etwest/top.html

インテックス大阪で開催された組み込み総合技術展WESTに行ってきました。
不況の影響もあってか、昨年度に比べると手堅い展示が多いように感じましたが、AndroidZigbeeのセクション等、なかなか盛り上がっている分野もありました。
基調講演では、慶応大学政策メディア研究科の夏野剛氏の講演「IT革命の本質とケータイの未来」を聴講。次のような内容でした。

「10年前の日本はIT後進国だったが、今は世界トップクラスのIT先進国に変わった。ブロードバンドも携帯もこれだけ発達している国は他にない。この10年はまさにIT革命の時代。
コンピュータとインターネットの組み合わせによるコミュニケーション革命は、「非対称」だった情報を「対称」に近づけた。古い役員よりもネットに通じる平社員の方が情報を持っていたりする。もはや情報を隠そうとしても無理。顧客は世界で一番コストパフォーマンスの良いパートナーを見つけ、商品や技術を購入できる。

そのような社会では、自社内で秘密裏にこつこつ技術を開発するよりも、技術を持っているパートナーと組んだ方が明らかに良い選択となる。そうしなければ競争のスピードについていけないからだ。各企業は技術開発よりも世界中の技術を組み合わせて、いかに新しい付加価値を生み出すかが重要。」

企業が技術を持つことが競争優位につながることは変わらないと思いますが、10年前と今とでは技術の内容が異なるのかもしれません。自分より高い技術を持っている企業がいるのなら、同じ競争に参加するよりも、異なる競技を創り出すことに力をそそぐべきなのでしょう。

夏野氏は、これからの10年も、今までの10年と同じくらい、あるいはそれ以上に変化の激しい時期になると予想しています。私たちも新しい付加価値を生み出すことに力をそそがなければ、時代に取り残される…かもしれません。

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