サイエンスメディアな日々   インフォグラフィクスな日々

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ステレオタイプな地図〜Mapping Streotypes

http://alphadesigner.com/project-mapping-stereotypes.html
私たち人間が表現するものには多かれ少なかれ主観や偏見が入っています。何を選ぶか、どう書くか、どこで発表するか、どんな色・形で表現するか等、あらゆる情報は伝える者の主観や偏見を総合したものだ、と割りきってもよいかもしれません。

「地図」と言うもっとも客観的(と思われている)なメディアを使って、私たちの持つ「何気ない偏見」をパロディー的に視覚化してくれたのが、グラフィック・デザイナーYanko Tsvetkov氏のMapping Stereotypesです。

例えば上のイラストはアメリカ人の見たヨーロッパ。ロシアは「共産国」、イギリスは「ミイラ」、ルーマニアは「ドラキュラ」等、粗野で深みのない感じ。

ドイツ人が見たヨーロッパでは、ロシアは「ガス貯蔵庫」、パイプラインが通過するベラルーシウクライナは「ガス通過国」等、大変実利的。
一方、イタリア人のヨーロッパは、トルコが「ベリー・ダンサー」やハンガリーが「ポルノの国」とても享楽的で軽い感じ。

などと言う僕の感想も既にステレオタイプなんでしょうね。

インフォグラフィクスをパロディー化したMapping Stereotypesは、主観の呪縛を意識すべしと言う重要な示唆を与えてくれる作品です。

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