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参加型民主主義、イノベーション、情報の可視化〜DATA.GOV

http://www.data.gov/
米国、日本ともに民主党政権となり、「国民の政治参加」が今まで以上に強調されています。国民が政治に参加することはある意味当然なのでしょうが、それを正しく、効率的に行うための前提条件は、国民が正しい情報を持っていると言うことです。
情報の非対称性がある限り、国民の政治参加は聞こえは良いが「労多くして益少なし」になる恐れが大きいでしょう。

このような問題意識の下、情報への国民のアクセスを促進し、コンピュータで活用できるデータベースの形で提供しようと言う米国連邦の試みが、DATA.GOVです。オバマ政権は政府の情報開示を積極的に行っていますが、その活動にも後押しされてDATA.GOVでは様々なデータセットが誰にでも活用できる形でどんどん開示されています。単にデータを開示するだけでなく、データやデータベースの使用方法の解説もあり、本気で情報開示を進める姿勢が伺えます。

また、それらのデータ使って開発されたアプリケーションやビジュアリゼーション、独自のデータ分析も、DATA.GOV上で紹介されています。
データ可視化では、各州の肥満度比較航空路線の遅延記録(flyontime.us)植物の耐寒性地図等、様々なコンテンツが公開されています。こうやって可視化された情報は一般の目に触れる機会も増えるでしょう。
一方で、何もされず埋もれている情報・データは、おそらくまだ膨大にあるのだと思います。まさに「データ・マイニング」が必要です。

DATA.GOVはその目標を、「国家のデータを使いやすい形で提供することでイノベーションを創造し、民主主義をより強固にして、政治の効率や効果を上げること」としています。

国民参加によるイノベーションを情報の可視化によって行う。DATA.GOVのような試みに、日本も本気で取り組むべきではないでしょうか。

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