情報やデータの視覚化には様々な考え方や技法がある。それに対応して、情報・データの視覚化を表す言葉も、ビジュアリゼーションや可視化、見える化、など様々で、この状況は海外でも同様の(と言うか、海外ではより混乱している)ようだ。FlowingDataに、ビジュアリゼーションに関する言葉を整理した記事が掲載されている。
- data visualization - 通常はデータ探索・分析に関連する、図やインタラクティブなもの
- visualization — データ・ビジュアリゼーションと同義、インフォメーション・ビジュアリゼーションと同義であることが多い
- viz —ビジュアリゼーションの短縮形。言葉の短縮だけでなく、デザインやデータの簡潔性も表している。
- vizzes — vizの複数形。小便器を連想させる(?)
- information visualization — 通常はデータビジュアリゼーションが扱うものを包括するが、「実行できる洞察」を提供しようと言う意図がある。
- InfoVis — ビジュアリゼーションの研究者の多くが出席する、年一回の会議
- infovis — InfoVisで議論されるインフォメーション・ビジュアリゼーションの研究
- infoviz —infovisの軽い表現。 ただし、話し手の主観であって、作品自体は優れていることもある。
- information graphic — データの解説を目的とする、ジャーナリスト系の真面目な作品
- infographic — インフォメーション・グラフィックか「インフォグラフィック[INFOGRAPHIC]」のどちらかだが、後者であることが多く、不必要に巨大。
- [INFOGRAPHIC] — 多数の図、数字、アイコン、しゃれたフォントを使った巨大な図。ブログのタイトルに使われることも多いが、役に立たない。
- infograph ― この言葉を使い始めた人の考えがわからない。くだらないのでやめて欲しい。
- chart ― 一般に統計に関連しており、表に近い。
- data chart ― 数値による表に近い。言葉としては冗長。
- graph ― 図(Chart)と似ているが、グラフィックの基になった言葉のため、より視覚的なニュアンスあり。
- data graphic ― 曖昧な言葉のため、ビジュアリゼーションとは何か、何の役に立つのかと文句を言う人々を刺激しないので、私は好んで使う。しかし、多くの人々にとって何をさすか明確である。まずデータありき、図の背後にあるデータが主役、と言うことを示唆する。
かなり独断と偏見に満ちた記事とも思うが、逆説的に考えると、ビジュアリゼーションの本場と考えられる米国人でも、「ビジュアリゼーション」に関連する言葉や考え方には、かなり混乱があると言うことだろう。