最近話題の植物工場。農業の新しい姿として期待されるだけでなく、都会に住む市民の家庭菜園の代わりとして、「自然に触れる」場所としても注目され始めている。植物工場で癒される---少し前には想像もできなかったことだ。そして、未来の植物工場は僕たちの想像をさらに超えた姿に変わっていくのかもしれない。
ロンドン英国建築協会付属建築学校で開催されている展示会、H.O.R.T.U.S(”Hydro Organisms Responsive to Urban Stimuli" 。"HORTUS"はラテン語で「庭」の意味もある)は、一見奇妙で未来的な、藻と人間とサイバー空間の共生の姿を見せてくれる。
会場の天井からつり下げられた、300個以上の透明の容器。その中に入っている緑色の液体の中に藻が入っている。来場者は、各容器から出ているビニールのチューブに息(二酸化炭素)を吹き込んで、藻の光合成を助ける。また、スマートフォンを使って各容器に貼られたQRコードをスキャンすると、その容器の中にある藻(展示されている藻は9種類あるそうだ)の情報を見ることができ、ツイートも可能。このような来場者と藻のインタラクションは、展示場内のスクリーンにリアルタイムの立体映像として投影される。
生物と植物(藻)、そして、サイバー(IT)技術。自然と社会を構成するミニマムの要素はこの3つであり、それらが共生するのが未来である。それが、H.O.R.T.U.S.のメッセージなのだろうか。