オープンソースのデータ可視化プロジェクトが、様々な場所で動き始めている。その中でも興味深いのが、Miso Projectだ。オープンソースのプロジェクトと言うと、その性質上、草の根的な活動が多いのだが、このMiso Projectは英国の新聞The Guardianと、オープンソースを利用した開発を支援する企業Bocoupのジョイントプロジェクトであり、あのBill&Melinda Gates財団もバックアップしている、と聞くと、かなり大がかりな展開を期待してしまう。
このプロジェクトが提供するのは、「高品質なインタラクティブ・ストーリーテリングとデータ可視化コンテンツの制作を支援する、オープンソースのツールキット」と書かれている。その第一弾として発表されたのが、"Dataset"と言う名前の、JavaScriptによるデータ管理ライブラリ。データのロードやパースに加えて、データベースと同期して自動的に更新される「ビュー」と言う画面や、最大値/最小値、移動平均など標準的な関数も提供する。オープンソースで重要な拡張性も優れ、Misoプロジェクトではユーザの積極的な参加を呼びかけている。"Dataset"は現在、GitHubで公開されている。
Miso Projectでは"Dataset"以外にも、データの管理や可視化に関するライブラリを順次リリースしていくそうだ。大いに期待したい。
「データ・ジャーナリズム」と言う言葉を聞く機会も徐々に増えてきた。伝統的なメディア業界もデータや情報の可視化にいよいよ本腰を入れ始めたのだ。The GuardianによるMiso Projectは、その先駆的な取り組みのひとつになるだろうか。
ところで、Misoプロジェクトのアイコンはどうみてもお椀なので、"Miso"とは「味噌」のことらしい。日本人として単純に嬉しい。