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大気汚染を可視化する草の根活動:FLOAT Beijing

http://f-l-o-a-t.com/
大気汚染は大都市がかかえる問題の一つだ。特に急速に発展している都市の多くは、大気汚染の正確な状況さえ把握できていない。例えば北京は、特に大気汚染が深刻な都市のひとつだと言う。

カーネギーメロンとハーバードに在籍する二人の大学生が立ち上げた「FLOAT北京(FLOAT Beijing)」は、大気汚染を自分たちで計測し、可視化しようという草の根プロジェクト。その計測方法は、マイコンとセンサーを搭載した自作の凧を飛ばすと言うユニークなものだ。計測対象は、一酸化炭素、揮発性有機化合物、不溶性微粒子で、センシングレベルに応じてLEDの色が赤、黄、青に変わり、GPSで計測された位置情報とともにストーレッジへ無線で送られる。無線状態が悪い場合も想定し、オンボードのバックアップ用ストーレッジも備えられている。

http://www.good.is/post/glowing-pollution-sensor-equipped-kites-replace-beijing-s-stars/
FLOAT北京プロジェクトでは、ワークショップを開催して、この「凧式大気計測器」の作り方を市民に教え、市民自ら計測を行なってもらおうと計画している。
北京上空に舞い上がった無数の凧。それらが夜空に描く光が、大気の状態を可視化する。順調に進めば、「オープン、シェア、そしてイノベーション」の時代にふさわしい「草の根」社会プロジェクトのひとつになるだろう。

KickStarterではすでに予定の2500ドルを集め、プロジェクトは本格的にローンチされたようだ。
オープンソースを使って草の根の活動が、次々と現れている。

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