医薬品のオンライン販売の是非が話題になっている。医薬品と言う特別な商品だから、様々な懸念や問題が出てくるのだろうが、総論で言えば多くの物事が既にオンライン化していることは間違いないし、オンライン化できないことの方がむしろ特殊だと感じる。
そんなこと言ってもやっぱり無理なものはあるだろう、と思っている方々に、Mashable.comの記事「オンラインでできるとは思わなかった9つのこと」の事例を紹介する。
1.指輪のサイズを調べる
FindMyRingSizeは、指輪のサイズを教えてくれるサイト。クレジットカードのサイズを基準に、大きさをキャリブレーションするアイデア。
2.瞳孔間距離を調べる
眼鏡を購入する際に必要な、瞳孔間距離と目の大きさを測ってくれるのが、Warby ParkerのPD測定サイト。クレジットカードを顔の前にかざしてウェブカムで撮影するだけで計測結果が得られる。
3.あらゆるフライトの座席配置を見る
SeatGuruは、世界中のあらゆるエアライン、フライトの座席配置を調べてくれる。良い座席のアドバイスもあり、エアラインの座席案内よりはるかに便利そう。
4.造形物をデザイン、3Dプリントする
shapewaysは、3Dプリンターの出力サービス。モデルを作るスキルがなくても、様々なアプリケーションを利用して誰でも3Dプリントができる。
5.一回だけの仕事を依頼する
TaskRabbitは、日用品の買い物、家具の組立て、商品の返品など、一回だけの小仕事を、依頼することができる。登録者のスキル情報をもとに、仕事にあった人を検索できる。
6.警察の似顔絵風にスケッチする
Ultimate Flash Faceは、顔の各パーツを選んで配置するだけで、誰でも警察の似顔絵風のリアルな肖像画を作ることができる。鉛筆画風で妙にリアル。
7.MITの物理学コースの授業を無料で受ける
有名なMIT Open Coursewareでは、世界最高峰の物理学の授業の動画、ノート、課題とその解答などを自由に閲覧できる。
8.ほどんどのサイトの過去バージョンを見る
大規模な資料アーカイブサイトInternet ArchiveのWayback Machineは、1996年以後の1500億ページものウェブページを資料化している。ウェブアドレスを入力し、スクロールで時間を遡って見ることができる。
9.政治家の過去の活動を知る
政治の透明性を高めることを目的に運営されているOpenCongressのサイト。郵便番号を入力するだけで地元政治家の情報を知ることができる。ただし米国のみ。
ここに挙げられたオンラインサービスは、世の中にある「オンラインでできるとは思わなかったこと」のほんの一部でしかない。オンラインという新しい土俵の上では、アイデア次第で無限の可能性がある。技術がアイデアを生み、アイデアが技術を生む。そんなループによって、発展が続いている。
リアル v.s. バーチャルは、もはや不毛な議論だと思う。「リアル」な感覚として、オンラインは既にリアルなツールだし、逆に、オンラインをうまく利用しないビジネスは、そのうち「バーチャル」になってしまうかもしれない。インターネットは特殊なものではなく、郵便や電話と変わらない、必要なときに使うツールでしかない。重要なのは新しいアイデアとそれを実行すること。そのことは、昔からまったく変わっていない。