私達の太陽系に無数に存在するといわれる小惑星。そんな小惑星の膨大なデータベースが、Asterankだ。
Asterankには60万個を超える小惑星のデータが蓄えられている。それらはNASAなどの既存のデータベースからあつめられただけでなく、科学論文などから質量や軌道を計算したものもある。
しかも、それら小惑星の膨大なデータを美しい3Dビジュアリゼーションとして見ることができる。角度を変えたり、拡大・縮小したり、表の中の小惑星のデータのテキストをクリックすると3D可視化の中の対応する点に視点が移動する、といったインタラクティブな機能も備わっている(これだけのデータを3Dで可視化しているにもかかわらず、操作は軽く、ストレスがない)。
しかも、アステロイドデータベースのユーザーは、小惑星の発見者になれるかもしれない。'Discover'のページに表示される星空の写真を見比べて「動く点」を探すことで、まだ誰も知らない小惑星を探すことができるのだ。現時点で30万近くの写真がユーザーによって分析され、1,700名を超える人々によって11,600以上の「小惑星候補」が発見されている、と書かれている。シチズンサイエンス(市民参加型科学)のメッカである'Galaxy Zoo'とよく似た方法だ。
Asterankにはまた、太陽系外惑星(その多くはケプラー衛星によって発見された)や銀河内のダークマターを可視化したページもある。
太陽の周りをまわる無数の光点は眺めているだけでも美しいが、その背後にしっかりとした科学的な土台があるからこそ感じられる神秘なのだ。'Asterank'は、データも可視化も、第一級のサイエンティフィック・ビジュアリゼーションだと思う。