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昨年は、思いがけずVR(ヴァーチャル・リアリティ)について話す機会に恵まれた。
正確に言うと、話す機会はもらったが、「VR」というテーマは、こちらから提案した。講演の主催者から「何について話しますか?」と聞かれて、「ヴァーチャル・リアリティについて話したいです」と僕は即答した。
昨年から話題に上がることがおおくなったVRだが、日本ではまだVRについて過小評価されていると思う。海外、特に米国では、FacebookやGoogleが大々的に取り組んでいることからもわかるように、VRは今、もっともホットなテクノロジーの一つだ。おそらく、VRはAIと並んで、21世紀初頭を牽引する2大テクノロジーの片輪になるだろう。
VRについては、一般の人々の間には少々誤解があるように思う。
VRは、ゲームやエンターテイメントだけのものではない。また、VRは「おたくが狭い部屋で一人の世界に没入する」ためのものでもない。
VRはそのような、「今年の流行」として、一瞬話題に登ってやがて消えるような小さなテクノロジーではない。もっと大きな、社会基盤と言えるほどの巨大なテクノロジーになる可能性があるのだ。
VRは、プライベートな営みから仕事、公共システムまで、僕たちに生活のあらゆるものに関わる、21世紀のインフラになるだろう。
VRは、ネットワークで互いに結ばれ、人々が自身の経験を蓄積、共有する巨大なメディアになるだろう。
今は、まだSFのような、おぼろげなイメージしかないかもしれない。しかし、5年後、10年後に振り返った時、おそらく今が、「VR革命」の狼煙が上がった時代として歴史に記録されるのではないだろうか。
僕がVRについて話したい、と思ったのは、そんな予感に突き動かされたからではないだろうか。
※講演資料は先日SlideShareに公開したので、眺めてもらえればうれしい。