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サイエンスメディアな日々   インフォグラフィクスな日々

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可視化ツールのまとめサイト:dataviz.tools

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可視化ツールには様々なものがあるが、数が多すぎて、どれをつかえばいいのか迷ってしまう。結局は知っているものを(多少無理して)使うことになる。本当はもっと便利で、もっと適したツールがあるんじゃないかな、と思いながら。

そんな状況を変えてくれそうなのが、可視化ツールのまとめサイトdataviz.toolsだ。"Analysis", "Color"など、カテゴリーごとに有用なサイトがリストアップされている。

しかも、dataviz.toolsのリストは「成長」していくようだ。ユーザーが、"Suggest a Tool"から、おすすめの可視化ツールを推薦することで、実際に可視化に携わっている人々の間で情報を共有できるしくみがいい。

可視化ツールを可視化したサイト、dataviz.toolsを、ブックマークしておこう。

VRが変える情報伝達とものづくりの未来

www.slideshare.net

昨年は、思いがけずVR(ヴァーチャル・リアリティ)について話す機会に恵まれた。

正確に言うと、話す機会はもらったが、「VR」というテーマは、こちらから提案した。講演の主催者から「何について話しますか?」と聞かれて、「ヴァーチャル・リアリティについて話したいです」と僕は即答した。


昨年から話題に上がることがおおくなったVRだが、日本ではまだVRについて過小評価されていると思う。海外、特に米国では、FacebookGoogleが大々的に取り組んでいることからもわかるように、VRは今、もっともホットなテクノロジーの一つだ。おそらく、VRはAIと並んで、21世紀初頭を牽引する2大テクノロジーの片輪になるだろう。

VRについては、一般の人々の間には少々誤解があるように思う。

VRは、ゲームやエンターテイメントだけのものではない。また、VRは「おたくが狭い部屋で一人の世界に没入する」ためのものでもない。

VRはそのような、「今年の流行」として、一瞬話題に登ってやがて消えるような小さなテクノロジーではない。もっと大きな、社会基盤と言えるほどの巨大なテクノロジーになる可能性があるのだ。


VRは、プライベートな営みから仕事、公共システムまで、僕たちに生活のあらゆるものに関わる、21世紀のインフラになるだろう。

VRは、ネットワークで互いに結ばれ、人々が自身の経験を蓄積、共有する巨大なメディアになるだろう。


今は、まだSFのような、おぼろげなイメージしかないかもしれない。しかし、5年後、10年後に振り返った時、おそらく今が、「VR革命」の狼煙が上がった時代として歴史に記録されるのではないだろうか。


僕がVRについて話したい、と思ったのは、そんな予感に突き動かされたからではないだろうか。


※講演資料は先日SlideShareに公開したので、眺めてもらえればうれしい。

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2017年、VRの可能性:10の予測

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昨年は、VR(バーチャルリアリティ)に「はまった」一年だった。

コンピュータ・グラフィクスとヴィジュアル・プログラミング、そして立体映像に携わる中で、VRへの到達は必然の流れだったのかもしれないが、昨今感じるVRの可能性は、人類の情報伝達に関する不連続なパラダイムの変革を予感させるほど巨大なインパクトを感じる。自分にとっては、おそらく10年に一度の「ビッグ・ウェーブ」だし、すべての人類にとってもそうなると確信している。


そう思っているのは僕だけじゃないよ、ということを客観的に示すために、10 predictions and opportunities for virtual and augmented reality in 2017 | VentureBeat | AR/VR | by Jacob Mullinsという記事から、2017年のVR/ARについての10の予測を引用しておく(正確には、6つの予測と、4つの願望、だが。)


6つの予測

#1: アップルが、iPhone8でARゲームに参入

#2: スナップチャットが、'Spectacles'をベースにした拡張現実プラットフォーム開発のロードマップを公表


#3: HTC Vive 、「スタンドアロン版」VRヘッドセットを発表

#4: フェイスブック、VR事業を拡大。Oculusブランドは縮小。

#5: VRヘッドセットは、「ケーブルレス」、ワイヤレス化が進む。

#6: WebVRが、フルスケールVRとモバイルVRとの橋渡し役を担う。



4つの願望

#1: より「創造」のためのツールになる

#2: より自然なソーシャル・インタラクションが実現

#3: 「マジックウィンドウ(VR/ARの中の仮想ウィンドウ)」の普及

#4: 新しいマネタイゼーションの方法がうまれる


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それぞれの予測、願望の詳細は元記事を見ていただきたい。僕は理にかなった意見だと思う。言い換えれば、(VRの普及に大きな期待を抱いている僕にとって)どちらかというと「想定内の」「保守的な」意見だと感じるほどだ。


バーチャルリアリティは、リアリティになる。それが、2017年のVRについての、僕の予測だ。

Best Data Visualization Projects of 2016

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Flowing Dataに、"Best Data Visualization Projects of 2016"という記事が出ている。年末らしく、今年の「ベスト可視化サイト」をピックアップしたものだ。

flowingdata.com


取り上げられたプロジェクトは、幅広い分野や対象、手法に渡っている。いわゆる「データ可視化」の手法は定着してきた。時代は「どう可視化するか」から「何を可視化するか」に移っていると感じられる。

その観点から面白いと思ったのは、ハーバード大学による、巨大なプレートの上でのバクテリアの「成長」を可視化したプロジェクト。何世代にもわたって拡大していくバクテリアのコロニーを、タイムラプスで撮影したものだ。バクテリアの広がりは一様ではなく、ある系列は途絶え、ある系列は子孫を増やしながら広がっていく。その結果、巨視的な「樹形図」が描かれていく。

可視化としては、オーソドックスなものかもしれないが、まだ人類が把握できていないものはたくさんあり、オーソドックスな手法の役割もまだ十分あるのだ。

そんなことを「可視化」し、「こんな可視化もあるんだよ」、と教えてくれるプロジェクトだと思う。

MR(混合現実)の可能性:「バーチャルドローンを飛ばそう!」by XOOMS Lab.

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今年は「VR(Virtual Reality)元年」と言われる。先日Oculus Riftの商用版が発売され、秋にはSony PS4 VRも発売予定だ。「スマート・グラス」系のウェアラブル機器は、すでに数多く市場に出まわっている。これらのVRデバイスが、ユーザーにあたらしい体験を与えてくれると期待されている。

そんな中、自身でも「VRコンテンツを作ってみたい」という思いが次第に強くなった。VRは頭で考えるものではなく、体験するものであるし、この技術が普及する鍵は、VRの特長を引き出すコンテンツにある、と思ってきたからだ。そこで、本来の業務の傍ら、MR(Mixed Reality:混合現実)コンテンツを自主開発してきた。それが、この「バーチャル・ドローンを飛ばそう!」だ。



[バーチャルドローンの表示画面(キャプチャ動画)]


「バーチャル・ドローンを飛ばそう!」のシステムは、VRゴーグル(Oculus Rift)に取り付けられた立体カメラ(Ovrvision)と、PCからなる。(加えて、モニタ用の液晶ディスプレイがあれば、周りの人々もVRゴーグルに写っている映像を共有できる)。立体カメラで撮影した周囲の映像はVRゴーグルに表示され、その上に、仮想ドローンのCG映像がリアルタイムで合成される、というしくみだ。

実風景に合成された「バーチャル・ドローン」は、けっこうリアルで、あたかもホンモノのドローンを目の前で飛ばしているかのように感じてくる。ドローンは、ゲームパッドを使って操作するのだが、スティックのアサインはプロポと同じ(「モード2」)にしているので、ドローンの練習用にも使うことができる。(…と、かなりの自画自賛は許して欲しい!)。

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幸運にも、3月末から4月初めに、グランフロント大阪で開催された「うめきたフェスティバル・未来ラボ」で、この「バーチャル・ドローンを飛ばそう!」を展示する機会をいただいた。

3日半の展示だったが、春休みということもあり、けっこうたくさんの来場者があった。未来ラボの会場が、ナレッジキャピタルの巨大な吹き抜けスペースだったため、バーチャル・ドローンをかなり高くまで上げることができ、なかなか「飛ばし甲斐」がある展示ができた。そもそも、こんな商業施設で実物のドローンを飛ばすことは、(さまざまな規制のために)まずできないだろう。さらに、ドローンと敵ドロイドの「空中戦」は、現実世界では絶対に不可能なバーチャルならではの体験だ。

展示では、子どもから高齢者までさまざまな来場者にこのMRコンテンツを体験してもらったが、とりわけ、日頃ゲームに慣れ親しんだ学生さんや若い人に「面白かった」と言ってもらえたのは、とても嬉しかった。

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バーチャル世界に没入できるVRコンテンツにも魅力はあるが、今回のようなMR=実際の風景に仮想物を合成したコンテンツは、より実用的な応用がしやすいと思う。また、ユーザーにはまわりの風景が見えていることで、安心感があり、「VR酔い」も少ないということも、実際に展示してみてわかった(展示の前は少々心配で、必ず「気分が悪くなったら、いつでもやめてくださいね」と伝えていたが、結果的に気分が悪いと言ってきた人は一人もいなかった)。


今回の展示を通じて、MR(混合現実)技術は、けっして「仮想(バーチャル)」ではなく、「現実(リアル)」な未来であることを自身が体感できた。

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