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世界のスパコン性能を比較する〜BBC Supercomputing superpowers


日本が開発を進めてきたスーパーコンピュータ京が、今年6月、ついに世界第一位になった。京の後、この夏には世界一位になると目されていた米国のBlue Watersが開発を中止したことから、京はしばらく世界一位の座に君臨できそうだ。スーパーコンピュータの開発は国の威信をかけた戦いであり、まるでコンピュータ技術のオリンピック的な要素も感じられる。

この「オリンピック」にはどんな国からどんな性能のどんなプレーヤーが参加しているのだろうか。そんな疑問に答えてくれるインフォグラフィクスが、BBCの記事"Supercomputing superpowers"に掲載されている。
世界中のスーパーコンピュータを、スピード別、国別、メーカー別、OS別等のカテゴリーでブラウズできるこのコンテンツを見ると、スパコン開発競争の現状が見えてくる。国別ではやはり米国の層の厚さが圧倒している。2位につけているのはなんと中国。中国のスパコン開発への力の入れようはすさまじく、国家をあげての技術開発が行われていることが読み取れる。メーカーに着目すると、日本では富士通が健闘しているものの、ほぼ米国の独壇場という感じ。そして、OS別ではLINUXが圧倒している。研究の世界はオープン指向のUNIXなのだ。

このように世界のスパコンのデータを、わかりやすいビジュアルで見せてくれるBBCのインフォグラフィクスはさすがのセンスだが、ひとつだけ残念なことがある。それは使われているデータが2010年のものだと言うこと。最新のデータを使えば、我がスパコン「京」(と日本国)が、かなりの存在感を見せてくれているはずだ。

京が世界一位でいる間にBBCの続編記事が出ることを期待したい。

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