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AppleTVが、ライフスタイルを変える(その2)

http://www.apple.com/jp/appletv/
当初、プレゼン環境の拡充を目的として導入したAppleTV。その目的は充分果たしてくれたわけだが、その導入は思いもよらない、別の恩恵も施してくれた。AppleTVのおかげで、ライフスタイルそのものが変わりつつある。

それはAppleTVの本来の機能、インターネットの動画を見る、と言うものだ。AppleTVを使えば、YouTubePodcast、最近はVimeoまで、インターネットで配信されている動画をHDTV上に映し出すことができる。
そう書くと、「何だ。PCでもできることじゃないか。」と思うかもしれない。しかし、動画は、PCで見るのとHDTVで見るのでは「エクスペリエンス」が大きく違う。これは僕自身、体感するまでわからなかったことだ。

例えばVimeoのチャンネルでは、Featured(おすすめ)やCategory(種類別)のメニューを通じて、リモコンひとつで興味のある動画をブラウズ、選択・再生できる。DVD録画機に録画した番組を見るのと同じような感覚で、ネット動画を見ることができる。これはPCの操作とは違って、まさに「TV」だ。
しかも、HDTVの大画面に映し出されたVimeoのコンテンツは、とても美しい。もともとセンスの良い動画が集まっているVimeoだが、大画面で見るとそのクオリティの高さがさらに引き立つ。例えば、Vimeoの"Shortfilm"のカテゴリーを覗けば、世界中から投稿されたハイクオリティの短編映画を見ることができる。[注:日本語のコンテンツはまだ少ないし、英語以外だと言葉は皆目わからないが、Vimeoは映像中心のコンテンツが多いので、言語がわからなくても何となくストーリーはわかるものが多い。先日はドイツ語(多分!)の短編映画を見たが、筋はわかった(と思う)]。

自宅にAppleTVを導入してからは、ネット動画を観る時間が増え、代わりに地上波テレビを観る時間が減った。はっきり言って、ネット上の動画の方が面白い。特に、Vimeoのコンテンツの質は高く、アート系の映画館がお茶の間に来たような感覚で、楽しめる。

AppleTVで活用しているもうひとつのコンテンツが、「ラジオ」、いわゆるインターネットラジオだ。AppleTVからアクセスできるチャンネル数は膨大だ。僕はJazzとClassicを聴くことが多いが、それだけでもすごいチャンネル数だ。各局のセレクトを聞き比べるのもいいし、アーティストやジャンルを特化したチャンネルも面白い。今まで「寂しいので何となく、BGM代わりに」テレビをつけていた時間は、AppleTVでインターネットラジオを聴く時間に、完全に置き換わってしまった。(今、こうしてブログを書いている横でも、 ”CINEMIX”チャンネルの映画音楽が流れている。)

もうひとつ。AppleTVで観るコンテンツは、世界中でシェアされているものだ。今、同じコンテンツを世界の他の人も観ている。それは地上波では不可能な、わくわくするような体験だ。

AppleTVは人々のライフスタイルを変え、世界の人々をひとつにするインフラになるかもしれない。本気でそう思う。
もしまだAppleTVを持っていないなら、ぜひ購入をお勧めする。1万円もしないこの「箱」は、絶対にお買い得だ。

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