下のバーチャートは、各疾患について、全米の各病院委託地域(Hospital Referral Region)の医療費と医療保険の負担額を表している。赤色または緑色のバーは患者が支払う医療費の範囲を示す。その地域の医療費平均が、米国全体の平均値(白線で示される)より高い場合は赤、低い場合は緑で表している。一方、水色は医療保険(Medicade/Medicare)が病院に支払う額だ。
フィラデルフィア(ペンシルバニア)やニューアーク(ニュージャージ)のような医療費が高い地域と、セント・ジョセフ(ミネソタ)やオウンズボロ(ケンタッキー)などの医療費が少ない地域では、ざっとみても10倍以上の違いがある。医療システムの異なる日本では、簡単には想像できないくらいの違いだ。
そして、同じ保険システムでも、地域によって保険が負担する医療費も変わってくる。
保険料や税金や、医療以外の負担や受益など、地域によって様々な環境・条件の違いがあるだろうから、医療費だけを簡単に比較できることではない。しかし、同じ国内でこんなに医療環境が異なれば、地域によって医療に対する考え方や行動、さらに生活全体の質にも大きな違いが出てくるだろう。普段、当たり前のように利用している医療とは、いったいどうあるべきなのだろう?