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原発情報開示の推移を見る〜朝日新聞のインフォグラフィクス

http://www.asahi.com/photonews/gallery/infographics/
震災以来、原発の記事が新聞に載らない日はありません。放射線と言う目に見えないものに対峙しなくてはならない状況に陥って、今までは「ブラックボックス」でよかった科学技術の情報を、「目に見える」形にすることが突然求められている。その責務を負う代表が、新聞やテレビといったマスコミです。しかし当初は(今でも)本当に知りたい情報が、理解できる形で提供されているかは疑問でした。これは、政府や東電の情報把握/情報開示の不十分さもありますが、マスコミの理解不足/表現不足の面も否定できません。
そんな中、朝日新聞社が原発関係のインフォグラフィクスをウェブで公開していることは評価できると思います。普通の人にとっては実は「知らないことだらけ」の原発を、図表やイラスト(インフォグラフィクス)を使って少しでもわかりやすく、誤解なく伝えようと言う真剣な姿勢が読み取れるからです。
このサイトにあるインフォグラフィクスを見ていると、伝える側の試行錯誤や苦労も伝わってきます。同じような情報が徐々にアップデートされて洗練された表現になる様子は、非常時の情報開示の記録としても価値があるのではないでしょうか。
そういえば、震災当初のテレビニュースでは、イラストやCGを作る時間もなく、手書きの絵や文字を使って、時にはその場で文字や絵を描きながら、放送されていました。コンピュータ・グラフィクスに慣れてしまった僕にとっては、手書きの持つ趣はかえって新鮮でした。
そんなことを感じている状況でもなかったので、あくまでも今振り返ってみての感想ですが。

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