テクノロジーと文化の交錯する領域を「一歩先」の視点で紹介してくれる雑誌、WIRED(ワイヤード)。この夏、WIRED日本版が再刊行されたことは大変うれしいニュースです。
再刊行第一号の巻末に、編集長クリス・アンダーソンのメッセージが載っています。アンダーソン氏のメッセージは明快です。
「WIRED」はアイデアの雑誌です。そのアイデアとはテクノロジーが世界を変えるということです。<略>悲観的になっていては未来は見つけられないのです。"Future is already here." 未来はすでにここにあるのです。それをどう見つけ、どう取り扱うかにかかっていると考えています。
テクノロジーを扱うWIREDは、それ自身が常に実験を行う姿勢を押し出しています。常に新しいことを行うことは、常に変化することです。
そしてもうひとつ大事なDNAは"Change is good." 変化することはよいことだということです。極端に言えば最新は最良だと考えること。変化によって規制の秩序が壊されるのを恐れてはいけないのです。
WIREDが他の雑誌と一線を画しているのは、後追いの解説でもなく、空想だけの作り物でもないこと。事実を踏まえながら、わくわくするような未来の可能性や、慎重になるべき危険性を提示してくれることです。
われわれが注意しているのは、拙速すぎないこと。しかし遅すぎないこと。大げさや曖昧さを極力排除する。きちんとした裏付けと実証は「WIRED」にとってとても重要です。<略>そこから生まれる議論が、テクノロジーや社会をよりよい方向へと導く指標になるからです。
創造性ある科学技術とともに、それを社会にしっかり伝えるメディアがある。これがアメリカやイギリスが常にサイエンスの先端を走っている、ひとつの要因だと思えてなりません。科学技術への健全な理解と批判が、さらに高いレベルへ科学技術を押し上げ、社会のリテラシーも向上する。そんな正のスパイラルが基礎にあるが故に、"Future is already here"との確信が生まれ、"Change is good" が正しい命題となる。
今日は米国の独立記念日。そして弊社、ズームスの創立記念日です。
WIREDとクリス・アンダーソンのメッセージは、これからの進むべき方向を照らしてくれる、「道先案内人」になると思います。