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都市のライフラインを破壊する、液状化現象

http://sc-smn.jst.go.jp/sciencenews/detail/M110001-008.html

液状化現象については、少し前にJSTサイエンスニュースで配信しました。この回は取材・制作を通じて大変勉強になったので、ブログを書いてみました。

東日本大震災は様々な問題を社会につきつけ、私たちの日々の生活基盤がいかに危うい物であるかを明らかにしました。そのひとつが、都市部を中心とする地盤の液状化の問題です。

液状化とはもともと砂粒が多い地盤が揺すられ、砂粒の「かみ合い」が外れて、隙間に入り込んでいた水が噴き出す現象です。自然に作られた地盤でも起きますが、被害を受ける住民が多いと言う点では、人工の埋め立て地の液状化が深刻な問題となっています。
実は液状化現象は1964年の新潟地震で認識され、その後は大きな構造物を建てる際は液状化対策が施されています。現在問題となっているのは、そのような対策が施されていない(義務がない)住宅地と、新潟地震以前に作られた埋め立て地です。特に後者は、重化学コンビナートなど危険物が貯蔵されている場所が多く、将来大きな液状化が発生した場合、深刻な被害をもたらすことが懸念されています。
例えば東京湾には火力発電所が集中しています。古い埋め立て地から重油や原油などが海上流出すれば(幸運にも海上火災は起きなかったとしても)東京湾は航行禁止となり、火力発電もストップします。都市の電力不足は、現在おきている原発事故の比ではありません。
その他、液状化による地盤の移動、側方流動によって、水道やガスの管、電気ケーブルなども破壊される可能性があります。
このように、液状化は、地盤が軟弱になったり、住宅が傾いたり、と言う表層の被害だけでなく、都市のライフラインを破壊する恐れもある、重大な災害なのです。
この大災害を未然に防ぐ対策が、一刻も早く施されることを願います。

★以上を、JSTサイエンスニュース「防災減災の科学:液状化と側方流動」にまとめましたので、ぜひご覧ください。

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