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サイエンスメディアな日々   インフォグラフィクスな日々

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どこでどんな地震がおきているのか〜StoryMonoroch氏による地震データ可視化

このデータ可視化はすごい。
StoryMonoroch氏による、10分弱の映像は、今年(2011年)発生したM3以上の地震発生データを日本地図上に時系列にプロットしたものだ。各プロットは震央の位置、マグニチュード震源の深さを表し、マグニチュード7以上の地震は、右下に詳細情報がテキストでも表示される。サウンドの音量はおそらくマグニチュードに比例しているのだろう。
この映像を見れば、今年1月から10月までに、どこでどんな規模の地震が起きたかを「体感」することができる。テキストでも数字でもなく、可視化映像ならではのこの情報伝達は、「体感」と言うのがもっともしっくり来ると思う。

この映像を見て、あらためて気づくのは、M3以上と言う比較的大きな地震が、平時から日本列島のあちこちで、ほぼ休み無く発生していると言う事実だ。3月11日以降は東北沖で無数とも言える地震が発生する。東日本大震災は1、2回の揺れではない。こういう事実は継続的なニュースである程度伝えられていても、この可視化映像があって初めて、全体像をつかむことができるものだと思う。

この可視化映像が素晴らしいのは、地震データをわかりやすく伝えていることだけではない。この可視化映像が、一人の個人によって作られた、と言うことだ。元となったデータは気象庁が公開しているものだが、その公開データを使って、このような素晴らしい可視化映像を作成したのは一個人なのだ。インターネットでデータを容易に入手できるようになり、個人の力でも大きな発見が行える時代となったと言える。

ところで、この映像を見ると、3月11日の2日前、3月9日に東北で大きな地震が起きている。これが大地震のの前兆であるとに気がついていれば、被害は少しでも軽減できたはずだ。地震学の専門家が見れば、もっと他の前兆も読み取れるのではないか。地震学の専門家は、そんなことは充分研究されている、と言うかもしれないが、少なくとも一般国民が、地震学から安全の恩恵を得ているとは言い難い。「地震予知の研究はやっても無駄」と言う声も聞こえる中、地震学の専門家は何か情報発信できないのだろうか?一個人が、こんなに素晴らしい情報発信をしているのだ。プロフェッショナルの意地を見せて欲しい。
今、この時期に動かなければ、地震学が汚名返上する次のチャンスは、1000年後になるかもしれない。もっとも地震学者なら、次に汚名返上できるのがいつか、なんてことは予測できていると思うが。

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