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地球上の大規模火災を可視化する:NASA Global Fire Observations


この映像は、2002年7月から2011年7月までの9年間にわたる、地球規模の火災の観測結果(”Global Fire Observations”)だ。NASAが進めるEarth Observatoryプロジェクトの一部として、人工衛星に搭載した「改良型超高分解能可視赤外放射計(Advanced Very High Resolution Radometer: AVHRR)を使って計測した電磁放射線(反射光と熱)から火災を可視化している。AVHRRの当初の目的は気象観測だったが、副産物として火災のモニタリングにも使えることがわかったと言う。

地球規模の火災には2種類ある。ひとつは雷などが原因でおきる自然災害の「山火事」。もうひとつは農業の手法として行われる「野焼き」だ。オーストラリアや北米の火災は主として自然災害、一方、アジアやヨーロッパ、ロシア、南アメリカなどは主に人為的な野焼きによるものだそうだ。
特に火災が多いのはアフリカで、MODISの調査によると世界中の火災の70%はアフリカで発生している。反対に、少ないのは北米で、広大な面積の割には世界全体の2%を占めるだけだ。なお、大規模な火災が発生すると、当然かなりの量のCO2を排出する。(例えばロシアのツンドラで発生した火災では、日本のCO2吸収量の2.4%にあたる量のCO2が発生したと言う記事もある)。

この映像を初めて見た時、地球上で、こんなに頻繁に大規模な火災が起きていることと、火災が起こるといったん消失する植物が、また元に戻っていく自然の力に驚いた。人間の目では変化がないように見える地球の陸地だが、実は非常にダイナミックな営みが進行しているのだ。そんなことを感じられるのも、可視化の力だと思う。

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