巷では「円安」が話題になっている。少し前は100円でも「円高」と言っていたような気もする。そもそも為替レートはどのようにして決まるのか、適正な為替レートをどう判断するのか、そのあたりの解説を探してみても、腑に落ちるものは見当たらない。賛成も反対もどちらも「論理的」に述べられるのが経済学の不思議なところだ。
以前、ハンバーガー1個の価格で見て同じ生活レベルになるのが適正な為替レートである、と言う説を聞いたことがある。はたしてハンバーガーで評価するのが妥当なのか?という疑問はあるが、食べ物という人が生きていく上でもっとも身近な商品を基準にするのは、納得はできる。
"How Much Food Can You Buy For $5 Around the World"は、世界の国口で5ドルで買える食べ物の量を比較した動画だ。
- バナナ:オーストラリア3ポンド、フランス5ポンド、アメリカ8.5ポンド、エチオピア25ポンド
- コーヒー:イタリア0.5ポンド、アメリカ0.8ポンド、フランス1ポンド、インド1.5ポンド
- ビッグマック:オーストラリア1個、ロシア2個、日本1.5個、アメリカ1.15個、スウェーデン0.65個
- お米:アメリカ7ポンド、中国12ポンド、アフガニスタン14ポンド、日本2ポンド
- じゃがいも:イギリス5.5ポンド、アメリカ7.75ポンド、エチオピア31ポンド
- 卵:スウェーデン15個、カナダ19個、アメリカ34個、中国57個
- ひき肉:フランス0.75ポンド、中国1ポンド、アメリカ1.5ポンド、イギリス2.25ポンド
データの精度は多少悪くても、食べ物によってはこんなに違いがあるのか、と驚いた。
グローバル化と多様性のバランスは難しい問題だし、すぐに誰もが納得する答えに到達することはないのだろうが、これから日本が行わねばならない決断を後悔しないためには、国民一人一人が客観的な事実を知り、多面的に考えることだと思う。