出典:Investors.com GE: 3D Printers To 'Touch' Half Of Its Manufacturing
最近、注目を集める3D-プリンター。「ものづくりの方法を革命的に変えるだろう」という期待を込めた熱い声がある一方で、精度やコストなど課題も多く、まだ本格的なものづくりには使えないのでは?と冷静に見守る人々もいる。
最新技術の予測は難しいものだが、最先端のものづくりを行っている人々の意見はひとつの参考になるはずだ。特に、グローバルな市場でハイテク製品を展開している企業なら、より精度の高い未来予測ができるのではないだろうか。そして、そのような企業の代表といえば、やはり米GE社だろう。
GEは現時点で製造の約10%に3Dプリンタを使っているという。この割合は10年後に20〜25%、20年後には50%を越えると予想している。ただし、この割合は最終製品についてのものではない。ものづくりのプロセスの上流工程で行われるプロトタイプの作成を中心に、3Dプリンターの利用が増加すると予測しているのだ。
実際、医療機器やジェットエンジンの開発ではすでに3Dプリンタがかなり利用されているようだ。3Dプリンターは、量産品を作る前の開発段階で必要な試行錯誤のハードルを下げてくれる。今まではコストや時間の制約であきらめていた改善が、3Dプリンターによって可能になる。企業が「より良い製品」を作るツールとして、作り手の期待は大きい。
GEは昨年、モリス・テクノロジー社を買収しているが、これは3Dプリンティングの拡大が目的だと言われる。なお、GE社内で3Dプリンターを開発する計画は、ないようだ。3Dプリンターの開発には特別なノウハウが必要だが、それはGEのコアコンピタンスではなく、機械そのものはあくまでもアウトソーシングで進めるようだ。