脳波を使ったパーソナルなガジェットがいろいろと出始めている。今のところ、ヘルスケアやエンターテイメントなどパーソナル分野が主であるが、中にはビジネス用途の機器もある。その最新事例のひとつが、英国航空(ブリティッシュ・エアウェイズ)が試験的に導入した「ハピネス・ブランケット(「幸せ毛布」)」だ。
「ハピネスブランケット」は、脳波を測定するヘッドバンドと、LEDがついた毛布がペアになったもの。ヘッドバンドで「瞑想状態」を測定し、ブルートゥース経由で毛布へ送る。その値に対応して、毛布にとりつけられたLEDの色が変化する、というしくみだ。青色はリラックスした状態、赤色はストレスを受けたり不安な状態に対応する。
英国航空は、このハピネスブランケットを大西洋横断航路に試験的に導入したが、その目的はファーストクラスの機内サービス改善にある。旅行アナリストのヘンリー・ハートベルトは言う。
人々はより長い距離移動するようになり、機内で良い休息をとることがより重要になっています。乗客にとって、よい旅はよい休息であり、そのためならより多くの料金を払うことに航空会社が気づいたのです。
実際、英国航空は、この「ハピネスブランケット」の他にも、機内を快適にするためのサービスを試験的に提供している。たとえば、 ノルウェーの線路を7時間かけて走行する風景を運転席から撮影しただけの機内エンターテイメント映像も、そのひとつだ。
なお、「ハピネスブランケット」が本当に機内サービスの向上につながるのか、という懐疑的な意見もあるようだ。とりわけ、奇妙なヘッドセットとセンスの悪い(意見はわかれるかもしれないが)毛布、という組み合わせは、「まるで未来から来た馬鹿者みたいだ」というコメントもある。
ただ、数年前にGoogle Glassのようなウェアラブル機器を身につけていたイノベーターは、社会からかなり数奇な眼で見られていたから、あまり気にしなくても良いのかもしれない。環境が変われば、人は都合の悪いことはすぐ忘れるのだ。