自分が住んでいる地域や通勤や通学で通る場所が安全かどうかは、誰もが気になる。特に最近のように猟奇的な事件が続くと、どうしても日常生活への警戒心は増すものだ。しかし、やみくもに危険を煽るのは、良いことではない。まずはデータを見て、必要な時・場所で必要な対応を取ることが必要だ。
そんな僕達を助けてくれそうなのが不審者情報マップbeta。警視庁が公開している不審者情報を収集し、場所のデータを抽出してGoogle Map上に表示するウェブ・アプリケーションだ。不審者情報マップのサイトには次のような解説が書かれている。
この情報は、警視庁の不審者情報のサイトを自動でクローリングし、ページのデータを解析し、GeoNLPが公開しているAPIを使い、文章から住所情報を抽出・緯度経度情報に変換し、自動でGoogle Mapsの地図上にマッピングしたものです。
このサイトは個人で現在試験を目的として運営しており、警視庁とは一切関係ありません。まだテストの段階です。正確な情報は、警視庁のサイトを御覧ください。ご質問はinfo[at]studioisaa.jpまで。
公開されているものの、けっして使いやすいとは言えない行政や公的機関の情報を、誰もがアクセスできるツールで市民の眼に触れるように「トランスフォーム」しているところが素晴らしいと思う。データの質やアプリの使い勝手についてはまだ改善点はあるかもしれないが、個人が無償で作ったツールが、多数の公務員が税金を使って行っている行政の足らないところを補っているのだ。それだけで賞賛に値する。改善点を思いついたひとは自分で実行すればよい。自分自身がプレーヤーになることが、オープンデータやシビックテックの本質だと思う。
※「ヒートマップ」画面では、不審者情報の発生場所を視覚的に把握できる。