OECD(経済開発協力機構)と言うと誰しもニュースなどで名前は聞いたことがあっても、深くは知らないのではないでしょうか。私もその一人です。
OECDは発展途上国の経済発展を支援する活動を行っているとともに、そのベースとなる調査とデータの蓄積を行っています。それらデータはインターネットで公開されていますが、まさに「データ」であるため、今まで専門家以外にはあまりなじみのないものでした。
この貴重なデータをより広く、より多くの人に使ってもらうために、OECDとNational Center for Visual Analyticsが共同で、Factbook eXplorerと言う、データ可視化ツールを作成、公開しました。
扱われているデータは、人口、マクロ経済、国際経済、物価、エネルギー、労働、科学技術、環境、教育、財政、生活満足度、賃金格差、と広い領域をカバーしています。各データは、上部メニューの"Indicators > Load Data... "から選択でき、好きな組み合わせでグラフ化が可能です。
私もfactbook eXplorerを少し触ってみました。
「知識への投資額」をプロットしてみると、アメリカが高いのは予想していましたが、フィンランド、スウェーデンと言った北欧諸国が高いことが意外でした。北欧の教育への取り組みは進んでいる、と聞いたことがありますが、それを裏付けるデータですね。
また、女性の就職率と出生率に関係があるかをグラフで確認してみました。就職率50%以下だと出生率は高いが、就職率50%以上だと就職率と出生率にはあまり関係がないように見えます。これは発展途上国と先進国の状況を示しているのではないかと興味をそそられます。
このようにデータを視覚化することによって、今まで埋もれていた情報が効率的に把握でき、データマイニングの第一歩として、とても有効だと実感しました。
データ視覚化が、より良い社会を実現するためのツールになると期待が膨らみます…。