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エベレストでの死亡原因:Deaths on Mount Everest

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先日、三浦雄一郎さんが三度目のエベレストの登頂に成功した。80歳と言う史上最高齢での登頂は、世界的な快挙だ。偉大な冒険を無事に完遂したことに、心から拍手を送りたい。

エベレスト登頂への挑戦を人類が始めたのは、1910年代の終り頃からだと言われる。以来、多くの登山家がこの山で生命を失ってきた。その数は(正確にはわからないものの)、推計235人と考えられている。特に1980年代以降、挑戦者の増加とともに、死亡者数も増加している。

インフォグラフィクス"Deaths on Mount Everest"は、エベレストでの死亡者を原因別に分類したものだ。この可視化によれば、死亡原因としてもっとも多いのは雪崩(Avalanche)の51名、次に滑落(Fall)の49名。以下、低体温症(Expausure)25名、行方不明(Disappeared)15名、高山病9名(Altitude Sickness)、心臓発作8名(Heart Attack)、疲労(Exhaustion)7名、と続く。「原因不明」にも22名が分類されている。

実はエベレスト登山での死亡事故は、登山時より下山時の方が多いそうだ。今回、三浦さんがエベレストの頂上でインタビューに答えた際、登頂の喜びとともに「無事、降りられるようにしたい」と強調していたことが印象に残ったが、その理由がわかった。三浦さんが、予定より遅れながら慎重に下山したのも、世界最高峰の山の怖さを良く知っているからだろう。

世界最高峰を制覇するためには、世界最高峰の知恵も必要なのだ。

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